カメラやレンズを使っていると、いつの間にか気になり始めるのが「湿気」です。
特に日本の住環境では、何もしないまま保管していると、レンズの中にカビが生えてしまうことも珍しくありません。
そんなときに頼りになるのが、防湿庫です。
乾燥剤を入れて湿気を吸わせるドライボックスに比べて、湿度管理が自動で、手間がほとんどかかりません。
機材を使うたびに「大丈夫かな」と気にしなくていいのが、想像以上に快適です。
私は防湿庫を10年以上使ってきました。
現在は、東洋リビングとトーリ・ハンの防湿庫を併用しています。
その中でもトーリ・ハンは、性能と価格のバランスが良く、コストパフォーマンスに優れる印象です。
今回は、私が愛用している防湿庫 「トーリ・ハンのドライ・キャビ PD-55」 をじっくりレビューしていきます。
本記事の記載内容に、一部誤りがありました。修正を行いましたので、購入ご検討の方は改めて記事をご確認ください。
東洋リビングとトーリ・ハンの防湿庫を選ぶ理由
防湿庫選びで大切なことは、「湿度を安定して保てるか」です。
実はこの乾燥方式の違いによって、保管の安心感が大きく変わります。
防湿庫の乾燥方式は、大きく分けて次の3種類があります。
- 乾燥剤で湿気を吸う方式(ドライボックス等)
→ボックス内に乾燥剤を入れて、人が出し入れして管理する方式。安価で手軽に始められる反面、交換忘れや湿度の不安定さには注意が必要です。
- 冷やして結露させる方式(コストパフォーマンスに優れる方式)
→庫内の空気を結露させ、庫外に排出する仕組み。短時間で庫内の湿度を下げることができます。
- 空気を乾かして循環させる方式(東洋リビング、トーリ・ハンの高級モデルで採用)
→湿度が安定し、結露しにくいのが特徴です。湿度を下げるのに時間がかかりますが、機材に一番優しい方式です。
東洋リビングとトーリ・ハンの高級モデルが採用しているのは、この「空気を乾かして循環させる方式」です。
今回紹介するPD-55は、「冷やして結露させる方式」。
短時間で庫内の湿度を下げることができ、価格も安価ですのでコストパフォーマンスに優れます。
「冷やして結露させる方式」の弱点とされる結露の面も、扉の開放時間が長くなければ問題となることは、ほとんどありません。
防湿庫は設定してしまえば、あとは基本的に放置でOK。
季節や天候に左右されにくく、初心者でも失敗しにくいのが嬉しいポイントです。
東洋リビングとトーリ・ハンは、共に40年以上の歴史があり、防湿庫の信頼性は業界トップクラス。
この信頼性の高さこそ、2社が長く選ばれてきた理由です。
スペック比較(55リットルサイズで比較)
乾燥方式が同じ、トーリ・ハン製と東洋リビング製の防湿庫を比較しました。
| トーリ・ハン PD-55 | 東洋リビング ED-55CATP2 | |
|---|---|---|
| 内容量 | 約50L | 約53L |
| 乾燥方式 | ペルチェ方式 | 乾燥ユニット式 (低温ヒーター循環) |
| 湿度管理 | 自動 | 自動 |
| 湿度表示 | デジタル | アナログ |
| 外形サイズ | 約32 ×32 × 59 cm | 約33.8 × 35.6 × 59.2 cm |
| 庫内照明 | あり(LED) | なし |
| 動作音 | ほぼ無音 | ほぼ無音 |
| 消費電力 | 約4W | 約0.9W |
| 実売価格 | 約2.4万円 | 約4.1万円 |
東洋リビングの方が少し大きい分、内容量も多くなっています。
湿度計の表示にはそれぞれ特徴があり、トーリ・ハンはデジタル、東洋リビングはアナログを採用。
トーリ・ハンのみ、ON/OFF可能な庫内照明が完備されています。
防湿庫内の機材をしっかり見渡せるので、大変便利。
消費電力は、乾燥ユニット式の東洋リビングの方がやや優勢です。
しかし、トーリ・ハンの防湿庫も4W程度と小さいため、電気代を気にする必要はほとんどありません。
価格差が大きいので、トーリ・ハン製の防湿庫のコストパフォーマンスが光ります。
実際に使って感じたPD-55の外観と使い勝手
外観と実際の使用感について、レビューしていきます。
①外観デザイン

PD-55は黒を基調としたシンプルな外観で、リビングや書斎に馴染むデザインを採用しています。
サイズは、約32 × 32 × 59 cm。
内容量は約50リットルです。
剛性感がしっかりしており、大切な機材を保管する場所として安心感があります。

電源アダプターは意外と小さめ。
隣のコンセントに干渉しにくく、設置場所を選ばない点が好印象でした。
②扉の作りと密閉感

扉の開閉はスムーズで、密閉感もしっかりしています。
軽すぎる印象はなく、「きちんと密閉されている」という感触が手に伝わってきます。
このあたりは、長く防湿庫を作ってきたメーカーらしさを感じる部分です。

扉の取手にも金属を採用。
ちょっとやそっとでは壊れない、安心感があります。
③使い勝手の良い引き出し(スライド棚)

PD-55には、引き出し式の棚が2段付いています。
この棚は自分で段の高さを調整できるため、収納する機材に合わせてレイアウトの変更が可能。
棚ごと手前に引き出せるので、奥に置いた機材もスムーズに取り出せます。
防湿庫は「頻繁に出し入れする収納」だけに、この構造は実に便利です。
④温湿度は視認性の高いデジタル表示

温度と湿度は、デジタル表示で確認できます。
湿度だけでなく、温度も同時に確認できるのは嬉しいポイントです。
確認時にはバックライトが点灯し、視認性は十分。
一定時間が経つと自動で消灯するため、常時光って気になることもありません。
湿度設定は1%刻みで細かく調整できます。
きっちりと数値を決められる点は、個人的に好印象でした。
⑤庫内照明があり、内部の視認性が良好

PD-55には LEDの庫内灯 が搭載されています。
防湿庫の奥まで光が届くので、機材の確認に大変便利です。
引き出し棚と組み合わせて使うと、出し入れのしやすさが実感できます。
庫内照明はON/OFF可能ですので、状況に合わせて使い分けましょう。
⑥鍵付きでセキュリティー面も安心

PD-55には鍵が付属しています。
小さい子供がいる家庭では、カメラやレンズを不用意に触られないか心配になることもあります。
鍵をかけておけることで、こうした不安を感じずに済むのは大きなメリットです。
⑦機材の収納状態

カメラを何台か格納してみました。
フルサイズのカメラでも、楽々入るサイズ感です。
右上のレンズはFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSの超望遠レンズ。
長さ20cm級のレンズでも収まるほどの奥行きがあるので、どんなレンズでも安心して収納できます。
トーリ・ハン PD-55はこんな人におすすめ
ここまで紹介してきたように、PD-55は防湿性能だけでなく、
性能と価格とのバランスが取れたコスパの良い防湿庫です。
その点を踏まえて、どんな人に向いている防湿庫なのかを整理してみます。
①はじめて防湿庫を導入する人
PD-55はドライボックスと違い、自動で湿度を調整してくれるため大変便利です。
操作パネルは直感的なので、はじめて防湿庫を導入する人でも、違和感なく操作することができます。
また、温度と湿度がデジタル表示で確認できる点や、庫内LEDにより中の状態が分かりやすいのも嬉しいポイント。
設定の簡単さ・表示の見やすさ・庫内の視野性。
そのどれもが高水準のため、はじめて防湿庫を導入する方におすすめです。
②カメラやレンズを日常的に出し入れする人
PD-55は、引き出し式の棚を採用しているため、奥に置いた機材もスムーズに取り出せます。
棚の高さも調整できるため、ボディとレンズを混在させても扱いやすい印象です。
また、庫内灯が搭載されているため、暗めの部屋でも中の状態を確認しやすいのも嬉しいポイント。
使い勝手の良さから、日常的に機材を出し入れする人におすすめです。
ただし、ペルチェ方式を採用しているため、長時間の扉開放には注意しましょう(通常の出し入れでは、まず問題になりません)。
③55Lクラスでコスパを重視したい人
PD-55は、信頼性の高いトーリ・ハン製でありながら価格は比較的抑えられており、性能と価格のバランスが良好。
大きな妥協をせず、コストパフォーマンスを重視したい人にとって、おすすめしやすい防湿庫です。
まとめ

防湿庫選びで重要なのは、大きく2点です。
- 湿度を安定して管理できること
- 日常的に使いやすいこと
トーリ・ハン PD-55 は、その両方を満たしており防湿庫としての性能は十分。
必要な機能を備えながらも、価格は抑えられています。
性能と価格のバランスに優れた防湿庫として、多くの人にとって選びやすいモデルです。