Qといえば、ライカが発売してるライカQが有名ですが、世の中には「もう一つのQ」があることをご存知でしょうか。
PENTAX Q
2011年にペンタックス(当時HOYA)から発売された世界最小のミラーレスカメラです。
カメラボディにはマグネシウム合金を採用。
ペンタックスの一眼レフカメラKシリーズ譲りの操作性など、小さい見た目からは考えられないほど、真面目に作られたカメラです。
普段は最近のミラーレスカメラ(ソニーα1、ニコンZf等)を使用している私ですが、ペンタックスQも時折持ち出して使うほどお気に入り。
ペンタックスQは決して高性能なカメラではありません。
しかし、ふと使いたくなる。
ペンタックスQは、そんな魔性を秘めたカメラです。
2011年に手に入れたペンタックスQ。
14年越しのレビューをしていきます。
作例・メリット・デメリットを含めて詳しく解説していきますので、ペンタックスQが気になっている方はぜひ最後まで見ていってください。
ペンタックスQは、いいカメラですよ。
PENTAX Qとは

ペンタックスQは、2011年にペンタックス(当時HOYA)から発売された世界最小のミラーレスカメラ。
センサーサイズは1/2.3インチ。
マグネシウム合金製の金属ボディにペンタックス一眼レフのKシリーズ譲りの操作性を採用するなど、非常に力を入れたモデル。
コンパクトなサイズ、センサーサイズに似合わず極めて真面目に開発されたカメラです。
ペンタックスQの後には、Q10、Q7、Q-S1が発売されましたが、ボディの質感までこだわったカメラは初代Qのみ(シリーズ唯一の金属ボディ)。
画質そのものはセンサーが大型化されたQ7以降に軍配が上がりますが、カメラの質感は初代Qが一枚上手。
センサーサイズの小ささ故、画質は極めて優秀とはいきませんが、写りのいいレンズ群を組み合わせれば、センサーサイズ以上の画質を提供してくれる頼もしいカメラです。
作例
ペンタックスQで撮影した作例を紹介します。

単焦点レンズ01 STANDARD PRIMEで、茶トラねこを撮影。
絞り開放ですが、単焦点らしく周辺まできっちりとした像を結びます。
ねこの柔らかな毛並みもしっかりと表現。
センサーサイズの小ささを感じさせない写りに驚かされます。

ISO800の作例。
小さいセンサーのカメラにとっては、高感度と呼べる暗めのシチュエーションです。
暗部に多少ノイズがのるものの、被写体である子猫がしっかりと描写されています。
繊細な毛並みの表現も中々のもの。
もちろん、大型センサーを搭載したカメラの描写には及びませんが、単焦点レンズ01 STANDARD PRIMEと組合せることで小型センサーとは思えない写りを提供してくれます。

水たまりの前に佇む猫を撮影。
猫がこちらに警戒する表情が見事に表現されています。
繊細というよりは、メリハリのついたコントラストの高い描写。
撮影当日は曇り空でフラットな光線状態。
写真がのっぺりしそうなものですが、蓋を開けてみればしっかりと奥行感を感じる写り。
ペンタックスQ用に一から専用設計されたレンズだけあり、素晴らしい写りのレンズです。

初夏に咲く紫陽花を撮影。
紫陽花のがくの少し紫がかったブルーの表現、いいですよね。
大きなボケではありませんが、滑らかなボケ。
ペンタックスのカメラは四季折々の写真が似合いますね。

少しネタみたいな写真ですが、お付き合いを。
カウンターに座る猫。
47mm相当F1.9(絞り解放)で撮影しています。
単焦点レンズとはいえ、センサーサイズが小さいため大きなボケは期待できません。
しかし、写りの方はいかがでしょう。
大きなボケに頼らずとも、被写体の猫が際立つ描写。
こういう所は、本当に素晴らしいと感じます。

単焦点レンズ(01 STANDARD PRIME)で海鮮丼を撮影。
脂の乗った刺身の照りが見事に表現されています。
色のりの良さも相まって、実に美味しそうに見える描写。
自然ばかりでなく、食べ物だって綺麗に撮りたい。
ペンタックスQは、そんな要望にもしっかりと答えてくれるカメラです。

カスタムイメージ雅(MIYABI)での作例です。
ビビッドになりすぎず、深みを感じる赤。
日本の和を表現するのに最適な色表現です。
この雅(MIYABI)が使用できることも、ペンタックスQの嬉しいポイント。

公園に咲く河津桜を撮影。
望遠ズームレンズ06 TELEPHOTO ZOOMでの作例です。
ピンクに色付いた桜の花がグラデーション豊かに表現されています。
ホワイトバランスは若干マゼンダ寄り。
しかし、河津桜の雰囲気にマッチしていて、これはこれでありではないでしょうか。

逆光でパンジーを撮影。
投下した花びらの透明感が見事に表現されています。
ペンタックスは紫の色が映えますね。
前ボケ・後ボケ共に非常にニュートラルで悪目立ちしません。
センサーサイズは小さいですが、これだけのボケが得られれば十分ではないかと感じさせてくれる描写です。

ピンクの花が印象的な姫白菊(カンズバキ群)。
花びらの一枚一枚がリアルに表現されています。
遠目からでも花脈が分かるほど、しっかりとした描写性能。
前ボケも騒がしくなく、滑らかです。
使用したレンズは望遠ズームレンズの06 TELEPHOTO ZOOM。
82.5-247.5mm相当(Q使用時)の望遠ズームレンズですが、望遠レンズとは思えないほどコンパクトで描写もいいので、ぜひペンタックスQと共に使って欲しいレンズです。

雨の中、ひっそりと咲くスノードロップを撮影。
花についた雫に水々しさを感じます。
背景のボケもクリーミーで、湿度感を感じる描写。
深みのある緑も相まって、印象的な写真に感じます。
シャッターボタンを押せば、何でも芸術的に表現してくれるカメラではありません。
しかし、しっかり撮影すると、それに答えてくれる。
ペンタックスQはそれだけのポテンシャルを持った素晴らしいカメラです。
スペック
ペンタックスQのスペックを比較していきましょう。
Qシリーズは、最新機種のQ-S1を合わせても、全部で4機種しかありません。
ペンタックス Q | ペンタックス Q10 | ペンタックス Q7 | ペンタックス Q-S1 | |
---|---|---|---|---|
マウント | Qマウント | Qマウント | Qマウント | Qマウント |
材質 | マグネシウム合金 | 樹脂 | 樹脂 | 樹脂 |
センサーサイズ | 1/2.3インチ | 1/2.3インチ | 1/1.7インチ | 1/1.7インチ |
画素数 | 約1240万画素 | 約1240万画素 | 約1240万画素 | 約1240万画素 |
ファインダー | ||||
内蔵フラッシュ | あり | あり | あり | あり |
ボディ内手ぶれ補正 | あり | あり | あり | あり |
自撮り | ||||
タッチパネル | ||||
RAW | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
スマホ連携 | ||||
USB充電 | ||||
低速限界設定 | ||||
ボディ質量 (バッテリーSD含む) | 200g | 200g | 200g | 203g |
サイズ | 約98×58×31mm | 約102×58×34mm | 約102×58×34mm | 約105×58×34mm |
カラー | ホワイト・ブラック シルバー(限定) | 100種類 +エヴァモデル (3種類) | 120種類 | 40種 |
ボディ価格 (中古) | 約2-3万円 | 約2-3万円 | 約2.5-3.5万円 | 約4-5万円 |
Qシリーズは4機種ありますが、大きな違いはセンサーサイズの差。
QとQ10は、普及価格帯のコンデジに採用されている1/2.3インチセンサー。
Q7とQ-S1は、当時の高価格帯コンデジに採用されていた1/1.7インチセンサー。
Q7とQ-S1はセンサーサイズが大きい分、画質面で優れています。
カメラの材質は初代ペンタックスQがマグネシウム合金の金属製、以降の機種は樹脂ボディとなっています。
質感にこだわるのであれば、初代Qがオススメです。
一方、カラーバリエーションの充実度はQ10以降の方が有利。ボディーカラーを楽しみたい方は、Q10以降を選択するのが吉です。
(Q10はエヴァンゲリオンとのコラボモデル(3種類)が存在します)
スペックに現れない点である、カメラ動作速度やオートフォーカス速度はQ7以降が優れています。
Qシリーズのカメラに、ストレスフリーな動作を望む方は少ないと思いますが、少しでも快適な動作を望む方はQ7以降を選択してください。
外観
ペンタックスQの外観を紹介します。
前面

まずは、ボディ前面。
前面は非常にシンプル。
小さいながらも、カメラらしいデザインです。
ボディにあしらわれたホワイトの張革の質感も良好。
向かって右側にダイヤルが配置されています。
ダイヤルを回すことでカスタムイメージ(写真の色味)の切替ができます。
デザインとマッチするグリップも素晴らしい。
ペンタックスQ(Qマウント)のレンズは小型軽量なものが多いため、このグリップでも全く不満はありません。
向かって右上にはフラッシュを配置。
フラッシュ使用時は下写真の様にフラッシュが展開します。

上写真は、フラッシュを展開したペンタックスQ。
面白いギミックですよね。
レンズによりフラッシュ光が欠けない(ケラレない)ようにするための機構ですが、他社では中々みない構造。
写真を撮ることをしっかりと考えて作られたことが分かる嬉しいポイントです。
背面

続いてボディ背面。
ボタン類は右側に集中しており、ほとんどの操作を右手で完結できます。
上下左右ボタンはファンクションボタンになっており、ボタンに割り当てられた機能にダイレクトアクセスが可能。
ペンタックス独自のグリーンボタンもしっかり完備されています。
上面(軍幹部)

最後にボディ上面(軍幹部)。
左側には再生ボタン。
右側にはシャッターボタン、モードダイヤル、絞りやシャッター速度の変更が可能なダイヤルが配置されています。
コンパクトなボディながらも、ダイヤルをしっかりと搭載している点に好感が持てます。
シャッターボタンを含めダイヤル類は金属製。
これらを含めた質感の高さは、ペンタックスQをもつことの喜びを感じさせてくれる嬉しいポイントです。
良かった点(メリット)
ペンタックスQの良かった点(メリット)について紹介します。
- 小さくて可愛いデザイン
- 上質な金属ボディの質感
- 軽量コンパクトなシステム
- 思ったよりも画質がいい
- カスタムイメージ雅(MIYABI)の搭載
- 一眼レフカメラKシリーズ譲りの優れた操作性
- NDフィルター搭載
- ボディ内手ぶれ補正を搭載
①小さくて可愛いデザイン
ペンタックスQは、小さいながらもカメラらしいデザインを採用しています。
本格的なミニチュア感とでもいいましょうか。
小さくても本格的。そのギャップが、ペンタックスQの可愛さを感じるポイントかもしれません。
ポップアップ式のフラッシュも凝った構造。
レンズによるフラッシュ光の妨げを防止するための構造ですが、この稼働形式は他社ではお目にかかれません。
こういうこだわりも、ペンタックスらしい。

小さいiPhoneであるiPhone 13 miniと並べてみました。
iPhone 13 miniよりも小さいサイズ。
それでいてレンズ交換ができるミラーレスカメラなのですから、恐れ入ります。
②上質な金属ボディの質感
ペンタックスQは、マグネシウム合金性の金属ボディを採用。
手に持つと、小さいながらも塊感のあるボディ。
ちょっとやそっとでは壊れない頑丈さを感じることができます。
この初代Qは、Qシリーズ唯一の金属ボディ。
以降の機種(Q10、Q7、Q-S1)では樹脂ボディに変更されています。
サイズに似合わず、贅沢な質感を実現した本機。
初代ペンタックスQは、いいモノを持つ喜びを感じされてくれるカメラです。
③軽量コンパクトなシステム

ペンタックスQは、2011年に世界最小・最軽量のレンズ交換式カメラとして世に放たれました。
そのコンセプトどおり、極めて小型軽量。
バッテリーSDカード込で、わずか200g。
レンズも非常に軽いため、システム全体での質量を大幅に抑えることができます。
カメラボディにレンズ3本(標準ズーム96g、望遠ズーム90g、単焦点37g)を揃えても、たったの423g。
驚異的な軽さです。
カメラボディだけで写真は撮れませんので、レンズも含めた総重量が軽いのは本当にありがたい。

望遠レンズを装着しても、このサイズ感。
本当にコンパクト。
レンズラインナップは多くないものの、撮影に必要なレンズは一通り揃っていますので、撮影で困ることはありません。
レンズを交換してこそのレンズ交換式カメラ。
システム全体が軽量なため、数本の交換レンズも気軽に持ち出せてしまう。
この気軽さこそ、ペンタックスQの醍醐味かもしれません。
④思ったよりも画質がいい
世界最小を謳うペンタックスQ。
その小ささ故、センサーサイズは1/2.3インチと小さめ。
普及価格帯のコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)に採用されているサイズのセンサーであるため、画質には期待できないと思われがちです。
しかし、ペンタックスQはいい意味で期待を裏切ってくれます。
付属レンズである標準ズームレンズ02 STANDARD ZOOM使用時は、標準的な画質です。
しかし、単焦点レンズ01 STANDARD PRIME、06 TELEPHOTO ZOOMとの組合せでは、小さいサイズのセンサーとは思えない別格の写りをします。
普及価格帯のコンデジと比較して、明らかに画質がいいのです。
やはり、写真の写りはレンズで変わりますね。
2025年現在ではスマホよりも小さいセンサーのペンタックスQですが、写りの質に関してはペンタックスQもまだまだ負けていません。
⑤カスタムイメージ雅(MIYABI)の搭載
ペンタックスQにはカラー写真の色を変えられるカスタムイメージが搭載されています。
カスタムイメージはスマホで言うところのフィルターみたいなもので、あらかじめ設定しておくこと、色効果を反映させた写真を撮影が可能です。
ペンタックスQには様々なカスタムイメージが搭載されていますが、その中の一つである雅(MIYABI)の色表現が特に素晴らしい。
赤・緑・青の3原色が印象的な仕上がりとなり、日本の四季折々の風景を瑞々しく表現することができます。マゼンタ寄りに仕上げた青は深くクリアな印象をもたらし、くすみのない赤の色合いは神社の鳥居の赤色の再現性に富んでいます。トワイライトタイムの薄紫がかった空模様など、マゼンタの再現性が活きるようなシーンでも魅力的な仕上がりが得られます。
特に赤や紫の発色が特徴で、日本の四季を表現するのにピッタリのカスタムイメージです。
雅(MIYABI)で撮影した写真は、言葉では言い表せない味があって本当に好み。
濃いめの発色でありながら、ビビットすぎない。
いい塩梅の色合いで、アンダー目な表現と組み合わせれば、しっとりとした和の表現に非常にマッチします。
私は、RAW現像(写真の編集)やっていますが、この雅(MIYABI)の色表現は中々再現することが難しいです。
カスタムイメージ雅(MIYABI)が使えることは、PENTAX Qの大きな魅力です。
RAW記録をしておけば、カメラ内RAW現像も可能(撮影後にカメラ内で簡単な画像調整やカスタムイメージの変更が可能)な点も嬉しいポイントです。
⑥一眼レフカメラKシリーズ譲りの優れた操作性
ペンタックスQはサイズこそ小さいものの、操作性までは犠牲になっていません。
ペンタックスの一眼レフカメラ、Kシリーズ譲りの優れた操作性を実現しています。
背面にはダイヤルを装備。
背面ダイヤルではシャッタースピードや絞りの変更が可能。
ペンタックス特有のグリーンボタンもしっかり完備されています。
フロントにあるダイヤルは、カスタムイメージを割り当てが可能。
ダイヤルを回すことで、瞬時にカスタムイメージを切り替えることができます。
絵作りに特徴のあるPENTAXですから、カスタムイメージを気軽に切り替えられるのは本当にありがたい。
⑦NDフィルター搭載
ペンタックスQシリーズは、他社のミラーレスカメラとは異なりボディ側にメカシャッターが搭載されていません。
シャッターはレンズ側にレンズシャッターが搭載されています。
レンズシャッターはフラッシュの全速同調可能などのメリットがありますが、ポートレート等に使用する方は少ないと思いますので、それほどのメリットはないかもしれません。
ペンタックスQ(というよりQマウントレンズ)のスゴイところは、レンズ内にNDフィルターが搭載されていること。
NDフィルターは光量を落とすことができるフィルター。スローシャッターを切りたい場面などで活躍します。
活用例|流れる滝を表現する
常に使用する機能ではありませんが、内蔵されているのはありがたい。
普通のカメラはNDフィルターが内蔵されていません。
NDフィルターを使いたい場合は、別途購入し、使用時にレンズ先端に取り付ける必要があります。
NDフィルターは荷物にもなりますし、着け外しも面倒。
ペンタックスQであれば、NDフィルターのON、OFFがボタン操作だけで完結できるので本当に便利です。
⑧ボディ内手ぶれ補正を搭載
ペンタックスQは、カメラボディ内に手ぶれ補正を搭載しています。
手ぶれ補正機能は文字通り、シャッターを押した時等に発生する手ぶれを抑えてくれる機能。
カメラ内に手ぶれ補正が搭載されているため、レンズを交換しても手ぶれ補正機能を使うことが可能です。
Qシリーズ用の8本の純正レンズすべてで手ぶれ補正が使えるのは本当にありがたい。
ペンタックスQはセンサーサイズが小さい故に、暗所での画質が良好とは言えません。
しかし、手ぶれ補正を活用しシャッタスピードを遅くすることで、暗所でも手ぶれを抑えた良好な画質での表現が可能。
また、日中であれば多少ラフに撮影しても手ぶれが抑えられるという意味でもありがたい機能です。
気になる点(デメリット)
満足度の高いペンタックスQですが、気になる点(デメリット)もあります。
- バッテリー持ちが良好ではない
- 標準ズームレンズの画質が平凡
- 暗所画質が良好ではない
- 動体撮影は難しい
①バッテリー持ちが良好ではない
ペンタックスQは小型軽量ゆえにバッテリーも小型。
一般的なコンデジに使われているバッテリーを採用しています。
そのため、バッテリー持ちは良好とは言えません。
1日中撮影するには心許ない容量。
USB充電にも対応していないため、予備バッテリーがあると安心です。
②標準ズームレンズの画質が平凡
ペンタックスQのレンズキットには、27.5-82.5mm相当をカバーした標準ズームレンズが付属しています。
使いやすい焦点距離、F値はキットレンズとしては若干明るいF2.8-4.5。
一見良さそうに見えますが、写りが平凡(02 STANDARD ZOOM装着時)です。
特別画質が悪いわけではありませんが、良くもない。
単焦点レンズ(01 STANDARD PRIME)や望遠ズームレンズ(06 TELEPHOTO ZOOM)と比較すると、ややパンチに欠ける印象です。
レンズ描写が平凡な分、使い手の実力が試されるレンズかもしれません。
とは言え、やはり綺麗に撮れた方が嬉しいですよね。
そんな方は、単焦点レンズ(01 STANDARD PRIME)や望遠ズームレンズ(06 TELEPHOTO ZOOM)を追加してみて下さい。
きっと、その写りに魅了されるはずです。
③暗所画質が良好ではない
ペンタックスQは普及価格帯のコンデジと同じ1/2.3インチセンサーを搭載しています。
そのため、暗所画質は決して良好ありません。
センサーが小さいため、暗所画質は仕方のない部分。
個人的にはISO800以下で使用したいところです。
しかし、この弱点をカバーする方法もあります。
- ボディ内手ぶれ補正を活かし、低ISO感度で撮影する
- 明るいレンズ(単焦点レンズ)を追加する
ペンタックスQはボディ内手ぶれ補正機能が搭載されています。
手ぶれ補正を活かし、ISO感度を下げることで手ぶれを抑えつつノイズの少ない画質で写真を撮ることができます。
また、明るいレンズである単焦点レンズを追加することでもカバーが可能。
明るいレンズを使用し、絞り(F値)開放で撮ることでISO感度を抑え、ノイズの少ない写真を撮ることができます。
特に、単焦点レンズ(01 STANDARD PRIME)がオススメ。
開放F値も小さく明るいレンズであるためノイズを抑えた撮影ができますし、写りも抜群。
被写体に近づくことでボケを活かした写真を撮ることもできます。
ペンタックスQを使っていて暗所画質に不満を感じたのなら、01 STANDARD PRIMEを追加してみて下さい。
④動体撮影は難しい
ペンタックスQは、オートフォーカス方式にコントラストオートフォーカスを採用しています。
そのため、オートフォーカス速度は若干遅め。
コントラストオートフォーカスはその原理上、動体撮影には向きません。
とはいえ、スポーツや動物など激しい動きをする被写体でなければ、ペンタックスQのオートフォーカスでも十分対応が可能。
ペンタックスQで動体撮影を行う方はあまりいないと思いますが、しっかりと把握しておきましょう。
ペンタックスQシリーズ購入時の注意点
ペンタックスQシリーズ購入時の注意点について紹介します。
センサーサイズの違いによる画角の違い
ペンタックスQシリーズは、2種類のセンサーサーズが使われています。
- 初代Q、Q10 → 1/2.3インチ
- Q7、Q-S1 → 1/1.7インチ
一般的にセンサーサイズは、大きいほど高画質な写真を撮ることができます。
画質に関しては、Q7またはQ-S1を選択する方がベターです。
センサーサイズによる違いは写りだけではありません。
センサーサイズが異なると、同じレンズで撮影した場合でも写真に写る範囲が変わります。
具体的には、QとQ10は少し狭く写り、Q7とQ-S1は少し広く写ります。
レンズそのものは、Qシリーズ共通ですので、使う機種によって写る範囲が変わるという事を覚えておきましょう。
おすすめのQシリーズは初代QとQ7
全部で4種類あるペンタックスQシリーズ。
どれを購入するか迷いますよね。
私がおすすめするQシリーズは、初代QまたはQ7です。
おすすめ①|初代Q
本レビュー記事の主役である初代Q。
Qシリーズの元祖にして、最もコンパクトなボディ。
マグネシウム合金製の高い質感が放つ本物感は、カメラを持つ喜びを感じさせてくれます。
単焦点レンズ(01 STANDARD PRIME)や望遠ズームレンズ(06 TELEPHOTO ZOOM)を組合せれば、画質の面でも付いてきてくれる。
ペンタックスの本気が詰まった初号機は、今でも魅力的なカメラです。
おすすめ②|Q7
おすすめ2つ目は、Q7。
センサーサイズが大きくなり、画質が向上したモデルです。
ボディのカラーバリエーションが豊富で、その数なんと120種類。
レギュラーカラーでなければ、街で間違いなく人と被らないカメラです。
画質も向上し、カラーバリエーションでも楽しめる。
自分好みのカラーモデルを手に入れたのなら、いつでも持ち出せる頼もしい相棒になってくれるでしょう。
一緒に買うと安心なもの
ペンタックスQと一緒に購入すると安心なものを紹介します。
- SDカード|必須アイテム
- 液晶保護フィルム|ほぼ必須アイテム
- ブロア|安心なアイテム
- 予備バッテリー|安心なアイテム
①SDカード|必須アイテム
ペンタックスQには、SDカードが付属していません。
写真を記録するのに必須のアイテムですので、一緒に購入しておきましょう。
ペンタックスQは、SD、SDHC、SDXCに対応。
コストパフォーマンスを考えると、64GBのSDカードの購入がベターです。
オススメのSDカードを紹介しておきます。
SDカードは、アマゾンセール等で安くなることがありますので、セールで購入するとお得。
セールになっていないか、チェックしておくと吉です。
Nextorage | SanDisk | |
---|---|---|
SDカードタイプ | UHS-I | UHS-I |
商品名 | NX-F2CL128G | SDSDXXU-064G-GHJIN |
最大速度 | 読込:100MB/s 書込:非公表 最低書込:30MB/s | 読込:200MB/s (カメラでは最大読込104MB/s) 書込:90MB/s |
容量 | 128GB | 64GB |
価格 | 2,790円 | 2,606円 |
UHS-IのSDカードは、SanDiskが最もおすすめです。
NextorageのSDカードが代替わりし、最大書込速度が非公表になりました。
最低書込速度は保証されていますので、連写を多用しない方はNextorgageでもOKです。
②液晶保護フィルム|ほぼ必須アイテム
液晶の保護に必要な、保護フィルム。
ペンタックスQはメーカーの修理対応期間は満了しているため、液晶が傷ついても(割れても)修理できません。
安心のために液晶保護フィルムを貼っておきましょう。
③ブロア|安心なアイテム
ブロアは、レンズやセンサーに付着したゴミ(埃等)を吹き飛ばすのに便利なクリーニングアイテム。
空気の力でゴミを吹き飛ばします。
レンズやセンサーのゴミは、写りに影響しますので、ブロアを1つ持っておくことをオススメします。
④予備バッテリー|安心なアイテム
小型軽量が魅力のペンタックスQですが、バッテリー容量も小さめ。
そのため、バッテリー持ちは良好とは言えません。
USB充電にも対応していないので、予備バッテリーがあると安心です。
バッテリーは純正品の購入をオススメします。
まとめ
ペンタックスQについて、良かった点(メリット)、気になる点(デメリット)を含めて紹介しました。
- 小さくて可愛いデザイン
- 上質な金属ボディの質感
- 軽量コンパクトなシステム
- 思ったよりも画質がいい
- カスタムイメージ雅(MIYABI)の搭載
- 一眼レフカメラKシリーズ譲りの優れた操作性
- NDフィルター搭載
- ボディ内手ぶれ補正を搭載
- バッテリー持ちが良好ではない
- 標準ズームレンズの画質が平凡
- 暗所画質が良好ではない
- 動体撮影は難しい
コンパクトなカメラボディに、コンパクトなレンズ。
センサーサイズは小さいものの、単焦点レンズや望遠ズームレンズ等の優秀なレンズを組合せれば、画質面でもついてきてくれる。
なんといっても嬉しいのが、マグネシウム合金を採用した質感の高い金属ボディ。
このサイズのカメラにマグネシウム合金を採用したミラーレスカメラは、ペンタックスQのほかにありません。
小さくても本格派。
ペンタックスQはペンタックスの本気を感じられる一台です。