ニコンZf、Zfcユーザーの私が、友人からこんな質問を受けました。
「ニコンってクラシックなカメラを出してるよね。ZfとZfcってのがあるみたいだけど、何がどう違うの?」
なるほど、確かに違いが分かり難いかもしれません。
見た目はそっくり。ですが、価格は全く違う。
何が違うのか、疑問に思って当然でしょう。
価格差なりの違いがあるのか気になるところです。
私は、ニコンZfcのブラックとZfの両方を所有し、実際に使用しています。
ちなみに、Zfcのシルバーも以前に使用していました(現在は売却済み)
両方のユーザーだから語れる、ニコンZfとニコンZfcの違いを比較してみました。
この記事を読むとこんな事がわかります。
- ニコンZfとは、ニコンZfcとは
- ニコンZfとZfcを一覧で比較
- ニコンZfの優れている点、Zfcの優れている点
- ニコンZfがオススメな人、Zfcがオススメな人
ニコンZf、Zfcのレビューを見たい方はこちら。
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対象商品購入期間|2024年10月25日(金)〜1月14日(火)
応募締め切り|2025年2月14日(金)当日消印有効
キャッシュバック金額 | 対象カメラ&レンズキット |
---|---|
10,000円 | Z5ボディー Z5 24-50レンズキット Z5 24-200レンズキット |
20,000円 | Zfボディー Zf 40mm f/2(SE)レンズキット |
30,000円 | Z8ボディー Z6IIボディー Z6II 24-70レンズキット |
40,000円 | Z6III Z6III 24-120レンズキット |
50,000円 | D850ボディー D780ボディー |
キャッシュバック金額 | 対象レンズ |
---|---|
5,000円 | NIKKOR Z 28mm f/2.8 * NIKKOR Z 40mm f/2 * *SE版ではなく無印版が対象 |
7,000円 | NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR NIKKOR Z 26mm f/2.8 NIKKOR Z 50mm f/1.8 S NIKKOR Z MC 50mm f/2.8 |
10,000円 | NIKKOR Z 14-30mm f/4 S NIKKOR Z 17-28mm f/2.8 NIKKOR Z 28-75mm f/2.8 NIKKOR Z 70-180mm f/2.8 NIKKOR Z 20mm f/1.8 S NIKKOR Z 24mm f/1.8 S NIKKOR Z 35mm f/1.8 S NIKKOR Z 85mm f/1.8 S NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S |
20,000円 | NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR NIKKOR Z 50mm f/1.2 S |
30,000円 | NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S |
70,000円 | NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S |
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ニコンZfとZfcについて
まず初めに、『ニコンZfとニコンZfcとは何か』について記載していきます。
ニコンZfとは
ニコンZfは2023年10月23日に、ニコンから発売されたフルサイズミラーレスカメラ。
特出すべきは、そのデザイン。
ニコンのフイルムカメラ「FM2」にインスパイアされたヘリテージデザインを採用。
デザインだけでなく、ダイヤルを真鍮製にするなど、質感にもこだわったカメラとなっています。
クラシックな外観を持つミラーレスカメラは、オリンパス(OMシステム)や富士フイルムが既に販売していますが、フルサイズミラーレスカメラとしては、世界初。
その見た目とは裏腹に、ニコンのフラッグシップ機(最上位機種)Z9、Z8に次ぐ性能を持ち、どんな被写体にもオールラウンドに対応可能。
ニコンZfは見た目はクラシックですが、機能は本格派のカメラです。
ニコンZfについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
ニコンZfcとは
ニコンZfは2021年7月23日に、ニコンから発売されたAPS-Cミラーレスカメラ。
2023年3月3日に新色ブラックを発売。
ニコンのフイルムカメラ「FM2」にインスパイアされたヘリテージデザインを採用し、同社デジタルカメラとしてはニコンDf以来のクラシックな外観を持つカメラとなっています。
Zfcの「c」は、「casual」に使ってほしいというニコンの願いを表しているとのこと。
スペックを2019年発売のニコンZ50と同程度に留めることで、コストを抑えながら外観にも拘ったデザインに仕上げることに成功しています。
ニコンZfcはコストと性能、そして外観。この3点のバランスを見ながら作られたカメラで、価格も含めてカジュアルに写真を楽しみたい人に向いていると言えるでしょう。
ニコンZfとZfcの違い|一覧表
見た目は瓜二つのZfとZfc。
コンセプトそのものが異なるので、スペックや価格に大きな違いがあります。
まずは、一覧表を見てみましょう。
その後、深掘り解説をしていきます。
ニコンZf | ニコンZfc | |
---|---|---|
センサーサイズ | フルサイズ | APS-C |
有効画素数 | 2450万画素 | 2088万画素 |
画質 | ||
ボケの量 | ||
オートフォーカス | ||
モニター | 約210万ドット | 約104万ドット |
モニタータイプ | バリアングル | バリアングル |
ファインダー | 0.8倍 | 約369万ドット0.68倍(換算) | 約236万ドット
メカシャッター | 1/8000秒 | 1/4000秒 |
手ぶれ補正 | 8段 | なし |
スロット | ダブルスロット | シングルスロット |
質感 | ||
ボディカラー | ブラック | シルバー・ブラック |
ボディサイズ | 約144×103×49mm | 約134.5×93.5×43.5mm |
質量 (バッテリーSD含) | 約710g | 約445g |
本体価格 | 約27万円 | 約12万円 |
写真で見るニコンZfとZfcの違い
非常に似ている2台。
両者の違いを写真で見ていきましょう。
ニコンZfはニコンの公式サービスにて、インディゴブルーに張革交換を実施しています。
正面からの比較写真
ニコンZfの方が、一回り大きい印象を受けます。
実際に手にした感じも、1回り大きい。
Zfのみグリップの出っ張りがあります。
小さめのグリップですが、意外と効果あり。
Zfcはツルッと滑って落ちそうになる事がありますが、Zfではその心配はなさそうです。
背面からの比較写真
ボタンの配置は殆ど同じです。
ZfとZfcを併用する人にも嬉しいポイント。
Zfはファインダー窓が非常に大きいことが分かります。
実際に見えるファインダー内もZfの方が明らかに大きい。
上面(軍幹部)からの比較写真
Zfは横幅が長く、厚みもある事が分かります。
また、ダイヤルにも違いがある事が一目でわかるでしょう。
- Zfは真鍮ダイヤル
- Zfcはアルミダイヤル
また、シャッタースピードダイヤルはZfのみ1/8000秒に対応。
ISOダイヤルも若干異なっています。
写真では分かり難いですが、塗装の質感がかなり違います。
Zfは、Zfcよりも分厚く塗装されているような質感で、非常に高級感があります。
ニコンZfの方が優れている点
それでは、ニコンZfの方が優れている点について、深掘り解説していきましょう。
以下の5点に集約しました。
ニコンZfの方が優れている点
- 画質、ボケの量
- オートフォーカス性能
- ボディ内手ぶれ補正
- 充実した基本スペック|ファインダー、モニター、シャッタースピードなど
- カメラボディの質感|モノとしての満足度
画質、ボケの量
ニコンZfは、フルサイズセンサーを搭載しています(Zfcの約2.25倍の面積)。
写真の画質は、センサーサイズとレンズの両方で決まります。
センサーサイズはZfの方がZfcよりも大きく画質の面で有利です。
光量が十分な昼間の画質差は小さいですが、室内や夜間など、暗いシーンで撮影する場合は、Zfの方が画質面で有利となります。
また、極端な明暗差(日向と日陰が入り混じる環境等)がある場合も、ニコンZfの方が有利です。
センサーサイズが大きいため、ニコンZfの方が大きなボケを得ることができます。
ボケを活かした写真が撮りたい方はZfの方が向いているでしょう。
(正確に言うと、センサーサイズが大きいとボケが大きい訳ではないので注意。便宜的にこのように表現しています)
- ニコンZfの方がセンサーサイズが大きく(Zf比2.25倍)画質が良い
- 室内や夜間など暗いシーン、明暗差が大きい場面の撮影が有利
- ボケ量が大きく、ボケを活かした撮影に向いている
オートフォーカス性能
オートフォーカス性能はニコンZfに軍配が上がります。
Zfはニコンのフラッグシップ機(最上位機種)Z9、Z8に次ぐ性能を持ち、どんな被写体にもオールラウンドに対応可能です。
Zfcとは2世代分の差があるため、オートフォーカスを求めるのであれば、Zf一択となるでしょう。
オートフォーカス性能の差がかなり大きいので、動体も撮りたい人はZfがオススメです。
ボディ内手ぶれ補正
ニコンZfは8段分のボディ内手ぶれ補正を搭載しています。
カメラボディ側に手ぶれ補正が付いているので、どのようなレンズを組み合わせても、手ぶれ補正機能を使うことができます。
それに対し、ニコンZfcはボディ内に手ぶれ補正を搭載していません。
そのため、手ぶれ補正機能を利用したい場合は、レンズ側に手ぶれ補正機能があるものを選ぶ必要があります。
どんなレンズでも手ぶれ補正を使いたいならニコンZfがオススメです。
手ぶれ補正は必須の機能であるとは言い切れませんが、撮れる写真の幅が広がりますので、無いよりはあった方が良いでしょう。
充実した基本スペック|ファインダー、モニター、シャッタースピードなど
カメラとしての基本スペックは、Zfの方が優れています。
例を挙げると
- ファインダーが大きく綺麗で見やすい ファインダーで捉えた被写体が綺麗に見える
- モニターが綺麗 撮れた写真が綺麗に見える
- メカシャッターが1/8000秒まで対応
- ダブルスロット(SDカードとmicro SDカード) バックアップがとれる
上記項目に魅力を感じる人は、基本性能が充実したZfを選択した方が良いでしょう。
カメラボディの質感|モノとしての満足度
ニコンZfはカメラボディの質感に力を入れています。
公式ホームページには、こう紹介されています。
触れることで、創造性を刺激する手にした瞬間から、撮る道具としての本格感が味わえます。シャッターボタンや電源スイッチをはじめ、シャッタースピード、露出補正、ISO感度の各ダイヤルには、質感の高い真鍮を採用。各ダイヤルのクリック音と感触は、試作と調整を重ね、使いやすさと心地良さを追求しています。また、撮影をサポートしながらもデザイン性に優れたグリップや、触り心地と質感を向上した人工皮革、押し心地を重視したシャッターボタンも特長のひとつ。細部へのこだわりが、上質な操作感を実現します(株式会社ニコン公式ホームページより)。
とにかく、質感に拘りました、と言うことがヒシヒシと伝わってきます。
実際、触ってみて分かる事ですが、質感のレベルが非常に高い。
Zfcよりも、ずっと上質です。
同じブラックでも、高級感にかなりの差があります。
Zfのカメラボディの重厚感は、持つ者に喜びを与えてくれます。
モノとしての満足度をとるなら、Zfが絶対にオススメです。
参考|私が今まで所有してきたカメラとニコンZfの質感比較
質感が高い順に並べてみました。完全に私の主観です。
順位 | メーカー | カメラ |
---|---|---|
1 | ライカ | M TYP240 |
2 | ライカ | Q TYP116 |
3 | 富士フイルム | X-PRO2、X-PRO3、X100V |
4 | ニコン | Zf |
5 | 富士フイルム | X100F |
6 | 富士フイルム | X-T3 |
7 | ニコン | Df |
ニコンZfcの方が優れている点
次は、ニコンZfcの方が優れている点について、深掘り解説していきましょう。
以下の3点に集約しました。
- カメラが軽い
- 安い!お財布に優しい価格設定
- 極めて優秀なキットレンズ|NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
カメラが軽い|軽さは正義
ニコンZfcはとにかく軽い。
その重さは、僅か445g(バッテリー、SD込)。
Zfよりも265gも軽いのです。
キットレンズを付けてもまだ580g。Zfのボディ単体よりも軽い!
Zf | Zfc | |
---|---|---|
ボディ質量 | 710g | 445g |
ズームレンズ 質量 | 195g | 24-50mm135g | 16-50mm
合計質量 | 905g | 580g |
軽さは正義。
軽量であればある程、カメラを持ち出しやすくなります。
カメラを持ちだす頻度が上がれば、必然的に写真を撮る機会が増え、いい写真も撮れるようになる。
実際に、私がよく手元に置いているのはZfcです。
Zfcはカメラボディが軽い。色んな所に持ち出して写真をとろう。
安い!お財布に優しい価格設定
ニコンZfcは、約12万円で購入可能。
それに対し、ニコンZfは約27万円。
比べるまでもなくZfcの方が断然安い。
Zfを1台の金額で、Zfcは2台買えます。
色違いでブラックとシルバーの両方を揃える事だって出来る。
コストパフォーマンスを優先したいのであれば、断然Zfcの方がオススメだ。
極めて優秀なキットレンズ|NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
ZfcのキットレンズになっているNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR、このレンズの出来がとにかくいいのです。
焦点距離は35mm換算24-75mmと3倍程度のズームレンジに、開放F値は3.5-6.3とパッとしないスペックです。
一見すると敬遠しそうなレンズですが、キットレンズとは思えない写りをします。
画像の中心付近は当然の様によく写りますが、注目すべきはそこではない。
画像の周辺部も綺麗に解像して(写って)いるのです。
しかも、コレだけの写りをするのに質量はたったの135g。
撮影していない時は、その厚さは32mmと非常にコンパクト。
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRは安い、軽い、小さいのによく写るキットレンズです。
このレンズを使う為にZfcを選択しても良いと言っても過言ではありません。
Zfに対しての大きなアドバンテージとなるでしょう。
注意:あくまでもキットレンズとしては非常に優秀な写りをするということであり、高価格帯のレンズに勝る訳ではない点に注意してください。
どんな人にオススメか
ニコンZf、Zfcそれぞれの優れている点について記載してきました。
では、どんな人にオススメなのか、具体的にみていきましょう。
ニコンZfがオススメな人、そうでない人
ニコンZfは、クラシックな外観を纏った最新鋭のカメラです。
その為、ニコンZfは最新機能を使いたい+見た目も拘りたい人にオススメなカメラです。
また、Zfcよりも高級感があるため、カメラを持つ喜びを重視する人にもぜひ手に取っていただきたい。
ただし、ボディのみで710gと比較的重いため、気軽にどこにでも持ち歩く事には向いていないでしょう。
また、Zfcと比較して価格が高いのも難点。この価格に価値を見出せるかが、選択の鍵となる。
ニコンZfがオススメな人
- 最新機能を搭載した、外観がクラシックなカメラを使いたい
- カメラの質感を重視し、モノを持つ喜びに重きを置く人
ニコンZfがオススメではない人
- カメラが比較的重いため、小型軽量を求める人には向かない
- Zfcの2倍の価格。コストパフォーマンスを追い求める人には向かない
ニコンZfcがオススメな人、そうでない人
ニコンZfcは、クラシックな外観を持ちながら、撮影をカジュアルに楽しむカメラです。
コンセプトの通り、気軽に写真を楽しもうとする人に向いています。
Zfcはオシャレな外観のカメラを気軽に持ち出したい。ついでに、コストもカジュアルでありたい。そんな人にオススメのカメラに仕上がっています。
質感や基本機能は、ニコンZfに大きく劣りますが、そんな事はどうでもいいのです。
カジュアルに写真を楽しみたい人は、Zfcを選びましょう。
ニコンZfcがオススメな人
- オシャレなカメラを低価格で楽しみたい人(ボディカラーも2種類から選べる)
- 軽量なボディを活かし、どんな所にも、カメラを携えていきたい人(軽さは正義)
ニコンZfcがオススメでない人
- 性能を重視する人
- カメラに質感を求める人
まとめ
ニコンZfとZfc、見た目は瓜二つですが、中身は全く別物であることが、分かっていただけたでしょうか。
どちらのカメラにも優れた点があり、優劣は付けられません。
カメラは自分に合うか。忘れがちですが、一番重要な要素です。
是非、自身のライフスタイルに合った、カメラを選んでみてください。
迷っている人は、両方買うという手もあります。
私のように。
ニコンZf → 最新機能を使いたい+見た目も拘りたい人にオススメ
ニコンZfc → オシャレな外観のカメラを気軽に持ち出したい。コストも抑えたい人にオススメ
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