最近、コンデジはめっきり減りましたね。
ラインナップとして残っているコンデジも、インフレや円安にともない高価格化。
ほとんどのコンデジは、10万円を超えています。
そんな中、2023年10月にOM SYSTEM(旧オリンパス)から、タフな高機能カメラTG-7が発売されました。
高価ではありますが、比較的手に取りやすい価格に抑えて登場(2024年7月|現在約6.2万円)。
耐衝撃、防塵、防水機能を備えながらも、レンズにこだわることで、防水カメラとしてはトップレベルの画質を維持しています。
私は、TG-7の前身であるTG-6を4年間使用(主に娘が使用)してきました。
TG-6、落としても、水に入れても4年間故障なし。
本当に頼りになるカメラです。
タフなカメラTG-6を、4年間使用したレビューをしていきます。
TG-6は、最新機種のTG-7とタフ性能、レンズ、センサーが同等なので、TG-7の購入を検討している方の参考にもなると思います。
- TG-6とは
- TG-6の作例
- TG-6のスペックと外観
- TG-6の良かった点(メリット)
- TG-6の気になる点(デメリット)
- TG-6がオススメな人
おすすめ防水カメラの記事は、こちら。
TG-6とは
TG-6は2019年にオリンパスから発売された、タフカメラ。
頑丈なボディに防塵・防水機能を有し、アクティビティを楽しむ人に最適なカメラに仕上がっています。
持ち前の頑丈さから、ラフに扱いたい人や子供にもオススメです。
- 頑丈なボディ|耐衝撃2.1m、耐荷重100kgf
- 防塵機能|IP6X相当
- 防水機能|15m IPX8相当
- 開放F2の明るいレンズ
- 充実したマクロ機能
- 普及価格帯のコンデジよりも高機能
- RAW対応
作例
TG-6で撮影した写真を紹介します。
TG-6の作例|筆者撮影
広角側25mmの作例です。
センサーサイズは小さいながらも、立体感を感じ取れる描写。
航空機の塗装の艶感がいい味を出しています。
広角25mm側で撮影。
F8ですが絞りバネはありませんので、被写界深度(ピントの合う範囲)はF2の時と同様。
周辺部が流れる事なく、しっかりと描写。
広角側では非常に安定した画質です。本当に、ありがたい。
望遠側100mmでの撮影。
動体が苦手なTG-6ですが、ある程度予測のできる被写体であれば撮影も可能です。
望遠側でも中心部はシャープな像を結びます。
望遠側100mmで撮影。
写真中央の富士山は、実にシャープです。
やはり、望遠側が100mm程度まであると、使い勝手が抜群です。
望遠側100mmで雲を撮影。
雲のふわふわ感。伝わりますでしょうか。
マジックアワーの空を撮影。
空の色のトーンが実に豊か。
1/2.3インチセンサー(小型センサー)であることを忘れてしまうほど、エレガントな描写です。
ホームに入ってくる電車を撮影。
コレくらいの速度の被写体であれば、TG-6のコントラストオートフォーカスでもバッチリ捉える事ができます。
建物のモニュメントを撮影。
しっかりと金属の質感が伝わります。
一風変わったポスト。
撮影当日はあいにくの雨でしたが、写真からもしっかりと湿度が感じられます。
この描写。私は好きです。
高感度ISO1600での作例。
高感度ノイズは出ているものの、思い出を残すには必要十分な画質を確保。
1/2.3インチセンサーでもコレだけ写るのは、レンズにも力を入れている証拠です。
TG-6の作例|娘(幼児)撮影
広角側25mmでの写真。
桜がしっかり描写されていますが、注目すべきは右下。
暗部の粘りが素晴らしい。
写真中央は本当にシャープですね。
四隅を見ると、若干像が流れているものの気になる程ではありません。
TG-6のスペック
TG-6のスペックを見ていきましょう。
スペック|TG-6とTG-7の比較
TG-6のスペックを紹介。
最新機種であるTG-7と比較しています。
TG-6 | TG-7 | |
---|---|---|
センサーサイズ | 1/2.3インチ | 1/2.3インチ |
有効画素数 | 1200万画素 | 1200万画素 |
レンズ | 25-100mm F2-4.9 | 25-100mm F2-4.9 |
内蔵フラッシュ | あり | あり |
ボディ内手ぶれ補正 | あり | あり |
自撮り | ||
タッチパネル | なし | なし |
スマホ連携 | あり | あり |
USB充電 | Micro USB | USB-C |
RAW記録 | 対応 | 対応 |
瞳オートフォーカス | なし | なし |
低速限界設定 | あり | あり |
顕微鏡モード | あり | あり |
防水 | 15m|IPX8相当 | 15m|IPX8相当 |
防塵 | IP6X相当 | IP6X相当 |
耐低温 | -10℃ | -10℃ |
耐衝撃 | 2.1m | 2.1m |
耐荷重 | 100kgf | 100kgf |
質量 (バッテリーSD含む) | 約253g | 約249g |
サイズ | 113x66x33mm | 114x66x33mm |
価格 | 販売終了 中古 約5.3万円〜 | 約6.2万円 |
TG-6とTG-7のスペックは同等。
大きな違いは、USB-Cに対応した事とワイヤレスリモコンに対応した事。
TG-6とTG-7は、ほとんど同じなんだね。
なので、TG-7を検討している方の参考になると思うよ!
TG-6の外観
TG-6の外観を見ていきましょう。
TG-6正面
まずは、TG-6の正面を見ていきましょう。
レンズはカメラの中心部にあり、レンズバリアはなし。
別売りのアクセサリーを購入すれば、レンズ部分の保護が可能。
右上にはフラッシュが搭載されています。
左側には樹脂製のグリップ。これが意外と持ちやすい。
TG-6背面
次に背面。
TG-6はモードダイヤルが背面にある事がわかります。
録画ボタンも背面にあります。
モニターは固定式です。
TG-6上面(軍幹部)
最後に上面(軍幹部)。
カメラの中心には、今では珍しいGPSのユニットを搭載。
左側にはOFF、LOGのレバー。LOGをONにする事でGPSのLOGを記録に残すことができます。
右側にはシャッターボタンとダイヤルを配置。
防水カメラでありながら、ダイヤルを搭載した事により、操作性が大幅に向上しました。
露出補正、絞りの変更で大活躍です。
ズームは、コンデジでお馴染みのシャッターボタン周りのレバーで行います。
良かった点(メリット)
TG-6を使っていて良かったことは、以下の6点。
- 頑丈なカメラボディ
- 安心の防水性能
- 必要にして十分な画質|防水カメラとしては優秀
- 開放F2の明るいレンズ
- 並外れたマクロ性能
- 充実した基本機能
順番に解説していきます。
頑丈なカメラボディ
耐衝撃2.1m、耐荷重100kgfとタフな性能をもつTG-6。
落としても大丈夫なので安心感があります。
所有しているTG-6は幼児の娘が愛用中。落下経験は数えきれないほど。
ですが、使用開始から丸4年経った今でも、故障知らずです。
やっぱり。頑丈なボディのTG-6は安心感が違うよね!
いくら頑丈だからと言って、慢心してはいけませんよ。
安心の防水性能
TG-6は15mの防水に対応。
なんちゃって防水ではなく、きちんとした規格IPX8相当の防水機能に対応。
安心して、水の中で使うことができます。
夏の海やプールで大活躍。
汚れても、水で洗って乾かせばいいので気が楽です。
最近のスマホは防水対応になってきていますが、いくら防水対応でもスマホを積極的に水に入れようとは思いません。
(故障したら不便極まりないので)
その点、防水カメラだと安心感があります。
アウトドアに、海や川、プールに頼れる防水カメラ。
1台持っておくと、フィールドを選ばずに写真を撮ることができます。
TG-6は、雨の時に安心して使えるのもいい!
必要にして十分な画質|防水カメラとしては優秀
タフ性能を全面に押し出しているTG-6ですが、画質にもこだわっています。
画質を売りにしているコンデジと比較すると、ややパンチに欠けるものの必要十分な画質を確保。
思い出を残すには十分すぎる画質です。
更に、防水コンデジとしては珍しくRAWにも対応。
画像編集(現像)する人には、嬉しいポイントです。
写真の記録方式。JPEGよりも諧調データ(色のデータ)が多いため、写真編集をする際に、自由度の高い色表現が可能。RAWデータを開くには、カメラのRAWに対応したソフトを使用する必要があります。
現行の防水コンデジでRAWに対応しているのは、TG-7とRX0IIのみ。
防水+ズーム+RAW対応のカメラはTG-7しかない!
開放F2の明るいレンズ
TG-6は防水カメラとしては、非常に明るいF2のレンズを搭載。
広角側がF2。
望遠側になるに従って、開放F値が緩やかに変化します。
開放F値が急に暗くなる(F値が大きくなる)レンズが多い中、これは嬉しいポイント。
日常でよく使用する25mm〜40mmの開放F値が、F2.8以下に収まっているのは素晴らしい。
- 25mm F2
- 28mm F2.2
- 35mm F2.5
- 40mm F2.8
- 50mm F3.2
- 70mm F3.9
- 100mm F4.9
- 画質が良くなる(小絞りボケを回避できる)
- 暗所での画質が良い(低ISO感度を維持できるため)
- ボケを活かした写真を撮りやすい
並外れたマクロ性能
TG-6は顕微鏡モードを搭載。
文字通り、顕微鏡で覗いているような拡大写真が撮れます。
便利かどうかはともかく、単純に使っていて面白い。
アイデア次第で、普通のカメラでは撮影が難しいような写真が撮れるので、チャレンジしてみるのも一興です。
顕微鏡モードで、雪の結晶を撮ってみたい
充実した基本性能
防水カメラでありながら、基本性能にも抜かりのないTG-6。
安価なカメラでは省かれる事が多い、ISOオート時のシャッタースピード低速限界の設定ができるのも嬉しいポイント。
本体右上には、ダイヤルを搭載し操作性にも配慮。
決定的瞬間を捉えることができる、プロキャプチャー(写真を撮る前約0.5秒から連写撮影を行うモード)にも対応しています。
他のカメラにはあまり見られない、GPSやフィールドセンサーシステムも搭載。
カメラ内にGPSセンサー、温度計、気圧センサー、コンパスのフィールドセンサーを内蔵。移動中の位置情報(緯度・経度)や気温・水温、標高(水深)、方位のトラッキングデータを自動で取得することができます。
何だか、防水カメラなのに高性能なんだね。
TG-6は痒い所にも手が届く、優秀なカメラだよ!
ただし、オリンパスでお馴染みのスーパーコンパネには非対応。これに対応していれば、もっと良かった。
気になるポイント(デメリット)
満足度高めのTG-6ですが、気になるポイントもいくつかあります。
- タッチパネルが非搭載
- 暗所には強くない
- USB充電がmicro USB
順番に解説していきます。
タッチパネルが非搭載
TG-6にはタッチパネルが搭載されていません。
スマホのように、タッチした箇所にピントを合わせることが出来ません(物理ボタンを用いたフォーカスポイントの移動は可能)。
防水カメラは誤動作防止のため、基本的にタッチパネルは非搭載。
防水コンデジを購入するなら、タッチパネルはあきらめましょう。
暗所には強くない
センサーサイズが1/2.3インチと小さいため、暗所には若干弱め。
ミラーレスカメラや大型のセンサーを搭載したコンデジに、差をつけられているポイントです。
とは言え、広角側は開放F値2のレンズを搭載しているので、暗所でもそこそこの画質は確保しています。
ラフに扱え、防水にも対応。暗所の画質もそこそこなので、カメラとしては悪くない選択肢でしょう。
暗所での画質を求めるなら、大型センサーを搭載したコンデジかミラーレスカメラがオススメです。
おすすめコンデジを知りたい方は、こちら。
USB充電がmicro USB
TG-6はUSB充電が可能です。規格はmicro USB。
USB-Cには対応していないので、気になるポイント。
最新機種であるTG-7は、USB-Cに対応し、不満を解消してきました。
USB-Cで充電したい人は、最新機種TG-7がオススメです。
TG-6がオススメな人
TG-6の良かった点、気になる点が分かったところで、TG-6がオススメな人を紹介しておきます。
基本的には、全天候型タフボディに魅力を感じる人には、全力でオススメしたいカメラです。
- アウトドアでガンガンカメラを使いたい人
- カメラをラフに扱いたい人
- 子供用のカメラを探している人|頑丈なので
- 海や川、プールでカメラを使いたい人
- どんな過酷な状況でも撮影したい人
逆に、画質やオートフォーカスを求める方はTG-6はオススメできません。
TG-6よりも最適なコンデジがありますので、そちらを選ばれる方が吉。
詳しくは、2024年版おすすめコンデジの記事を読んでみてください。
一緒に買うと便利なもの
カメラと一緒に購入すると安心なアクセサリーを紹介。
- SDカード
- 液晶保護フィルム
①のSDカードは必須(写真を記録するために必要)
②は、持っていると安心なアイテム。カメラを趣味としている人のほとんどが使用しています
①SDカード
UHS-IIには対応していないので、UHS-Iタイプを購入しましょう。
(UHS-IIのSDカードも使えますが、UHS-I相当の速度での動作になります)
オススメのSDカードを紹介しておきます。
容量は、写真を撮るだけなら64GBで十分です。
参考|128GBではJPEGだけで9,999枚以上、RAW+JPEGで約5,400枚ほど記録できます。64GBなら半分ほどになります。
毎月のAmazonセールで安くなる事が多いため、セールの時に購入するとお得です。
アマゾンでセール実施中です(1/3〜1/7)。
Nextorage | SanDisk | |
---|---|---|
SDカードタイプ | UHS-I | UHS-I |
商品名 | NX-F2CL128G | SDSDXXU-064G-GHJIN |
最大速度 | 読込:100MB/s 書込:非公表 最低書込:30MB/s | 読込:200MB/s (カメラでは最大読込104MB/s) 書込:90MB/s |
容量 | 128GB | 64GB |
価格 | 2,790円→2,511円 | 2,606円→2,345円 |
UHS-IのSDカードは、SanDiskが最もおすすめです。
NextorageのSDカードが代替わりし、最大書込速度が非公表になりました。
最低書込速度は保証されていますので、連写を多用しない方はNextorgageでもOKです。
②液晶保護フィルム
タフなカメラTG-6でも、カメラを落としたりするとモニターに傷が付きます。
ラフに扱うカメラだからこそ、液晶保護フィルムは欠かせません。
私は、ハクバの液晶保護フィルムを使用しています。
まとめ
タフでどんな環境でも撮影できる、オリンパスのTG-6。
幾度の落下にも耐え、水中での撮影も物ともしない。
4年間使用してきましたが、故障は一切なし。
もちろん、耐衝撃防水カメラだからと言っても、過信はできませんが、普通のカメラとは安心感がまるで違います。
日常を撮るカメラとして、どんな場所・状況でも撮れるカメラとして、TG-6があれば思い出の1ページを確実に残す事ができるでしょう。
TG-6は現在、販売終了。
後継機としてOM SYSTEM からTG-7が発売されています。
カメラのレンズ、センサー、タフ性能はTG-6と全く同じです。
新品を購入したい方は、OM SYSTEMのTG-7をオススメします。
コメント
コメント一覧 (8件)
TG-7を購入するにあたり大変参考になりました。ありがとうございます!
コメントありがとうございます。
更新の励みになります。
TG-7、いいカメラなので使い倒してください。
通りすがり失礼します。
初カメラを検討しているものです。
主にスナップ写真を取る目的です。
デザイン系の仕事をしており、仕事柄写真を加工合成・レタッチもしているので、
この度自分の撮影した写真でこれら作業を行いたく購入を検討しております。
私はアウトドアをする人間ではないのですが、普段からランニング(ジョギング、ウォーキング)をしており、近所だったりたまに遠出することもあります。
ランニング中パット出せて撮影できるカメラがいいと思うと、
必然的にこのような耐衝撃性のカメラが選択肢になると思います。
実は会社のカメラ好きにいろいろ相談していたところで、上記の使い方を想定していなかったので、
デジタル一眼と一般コンデジ前提で話を進めておりました。
ですので、急にこの機種の選択が浮上したという感じです。
こちらのサイト様の作例を見るに画質も問題ないと感じております。
前置きが長くなりましたが、
ご意見を伺わせてください。
最初のカメラとしてはTough-6(7)はどうでしょうか?
やはりTough-6(7)はサブ機で考えた方がいいでしょうか?
長文で失礼しました。
話を伺う限り、重視しているポイントは「パッと取り出せて撮影できる」という所かと思います。
TG-6、TG-7はその条件を満たしているので、オススメできます。
ただし、画質に関しては、会社の方に相談して提案されているカメラよりも劣る可能性が高い。
画質は上を見ればキリがないので、自分にとって十分かどうかを判断材料にするのが吉です。
作例レベルで問題ないのであれば、TG-6、TG-7を十分にオススメできます。
デザイン系の仕事でレタッチをしているとの事で、私よりも上手く写真を編集できるのではないかと思います。
(結論)
画質を優先する→デジタル一眼(ただし、大きい、重い、コスト高)
使い勝手を重視→TG-6、TG-7(ただし、画質やオートフォーカスの性能面はデジタル一眼に劣る)
TG-6は、私も併用して使える画質を十分に兼ね備えています。
作品撮りに向くようなカメラではありませんが、スナップであれば十分ではないでしょうか。
ゆゆねこさま
丁寧なご返信をありがとうございます。
サイトも含めて、とても参考になりました。
TG-6(7)について購入検討してみたいと思います。
突然の質問にも快くお答えいただき、本当にありがとうございました。
参考になったのなら幸いです。
ぜひ、自分に合ったカメラを選んでください。
通りすがりにゆゆねこさんの記事に出会って背中を押してもらいこのカメラ購入しました。従来X70を愛用してきましたがこれからは悪天候でもこいつを持ち出そうとワクワクしています。確かな記事をありがとうございます。
コメントありがとうございます。
そして、TG-6のご購入おめでとうございます。
どんな天候でも気にせず使えるので、どんどん使ってあげてください。
X70、いいカメラですよね。
コンパクトで写りもいいし、180°チルトもあって使い勝手も良いカメラ。
TG-6とも使い分けできるので、GOODな選択だと思います。
両方を駆使して、カメラライフを楽しんでください。