ニコンZfで写真を楽しんでいる私ですが、こんな相談を受けました。
「ニコンのフルサイズミラーレスカメラ、Z5II、Zfはどちらがオススメ?」
2025年に発売された、フルサイズミラーレスカメラの最新モデルZ5II。
2023年発売のクラシカルなフルサイズミラーレスカメラZf。
カメラの性能はほぼ同じと言われる両機種ですが、細かい点は異なります。
スペック表を眺めても、いまいち違いが分かり難い。
Zfが先行して発売されているので、性能が低いと思いきや、ファームウェアのアップデートによりZfも同等の性能を有しています。
性能はほぼ同じと言われると、困ることが一つ。
一体、どれを選んだらいいの?
- Z5IIは写真をしっかりと撮りたい人
- Zfは撮影体験を大切にしたい人
性能は同じですが、それぞれコンセプトが異なり、オススメできる人も異なります。
なぜ、上記のような結論になったのか、分かりやすく解説していきます。

私は、撮影体験が楽しめるZfを使っているよ!
スペック比較
まずは、スペックの違いを見ていきましょう。
Z5II、Zfの主な仕様を、比較表にしました。
Z5II | Zf | |
---|---|---|
マウント | Zマウント | Zマウント |
センサーサイズ | フルサイズ | フルサイズ |
画素数 | 2450万画素 | 2450万画素 |
ファインダー | 0.8倍 3000cd/m2 | 369万ドット369万ドット 0.8倍 1000cd/m2 |
内蔵フラッシュ | なし | なし |
ボディ内手ぶれ補正 | 7.5段 | 5軸5軸 8段 |
被写体検出 | 9 種類 | 9 種類 |
自撮り | バリアングル | バリアングル |
タッチパネル | あり | あり |
スマホ連携 | あり | あり |
USB充電 | USB-C | USB-C |
低速限界設定 | あり | あり |
記録メディア | SD(UHS-II)×2 ダブルスロット | SD(UHS-II) micro SD(UHS-I) ダブルスロット |
ボディ質量 (バッテリーSD含む) | 700g | 710g |
サイズ | 約134×101×72mm | 約144×103×49mm |
カラー | ブラック | ブラック |
発売年 | 2025年 | 2023年 |
ボディ価格 | 約23.3万円 | 約26.9万円 |
着色箇所が、他と比べて優れている点。
比較表をみると、ほとんどの仕様が共通です。
Z5IIとZfの主な共通点
各カメラの違いを説明する前に、共通点について紹介しておきます。
- 画質
- オートフォーカス性能
- 被写体検出機能(9種類)
- 動画性能(4K60p(クロップ))
- ファインダー(明るさ以外)
- 可動液晶
- タッチパネル
- スマホ連携
- ISOオート時の低速限界設定(動体撮影に便利な機能)
- 便利機能(フレキシブルカラーピクチャーコントロール、プリキャプチャー等)
Z5II、Zfでは同じセンサーと画像処理エンジンを使用しているため、画質は同等。
オートフォーカス性能も同等です(最新のファームウェアを適用した場合に限ります)。
動体撮影時に便利なISOオート時の低速限界設定も、どちらのカメラでも設定可能。
カメラの基本的な機能は、ほとんど同じですので、どちらのカメラを購入しても満足できる仕様になっています。
Z5IIとZfの主な違い
性能はほとんど共通と言っていいZ5II、Zf。
異なる部分について、クローズアップして解説していきます。
分かりやすい様に、表にまとめました。
Z5II | Zf | |
---|---|---|
①デザイン | モダン | クラシカル |
②質感 | 優秀 | 極めて優秀 |
③グリップ | 大きい | 小さい |
④ファインダーの明るさ | 3000cd/m2 | 1000cd/m2 |
⑤手ブレ補正性能 | 中央7.5段 周辺6段 | 8段 |
⑥価格 | 約23.3万円 | 約26.9万円 |
①デザイン


Z5II、Zfはデザインの傾向が異なります。
- Z5II モダン
- Zf クラシカル
どちらが優れているという事はありませんが、私はクラシカルなデザインのZfが好みです。
②質感|Zfが優秀
Z5II、Zfは共にマグネシウム合金製の金属ボディ。
どちらの質感も優秀ですが、比較するとZfに軍配が上がります。


Zfは金属ボディの上に厚塗りの半艶塗装が施され、高級感を演出。
さらに、ダイヤルには真鍮と非常に高い質感を誇ります。
カメラの質感にこだわりたい方は、必ずZfを選択してください。
③グリップ|Z5IIが優秀


Z5IIは右手の握り込み部に、しっかりとしたグリップを採用しています。
それに対して、Zfのグリップは控えめ。
小さく軽いレンズを装着している時は、グリップがなくても大きな問題にはなりません。
ですが、望遠レンズ等の大きく思いレンズを使うときは、グリップの良し悪しが顕著に現れます。
望遠レンズを多用する方、大きなレンズを使用する方は、しっかりしたグリップがあるZ5IIがオススメです。
④ファインダーの明るさ|Z5IIが優秀
Z5IIとZfは、共に369万ドット、倍率0.8倍の電子ビューファインダーを搭載しています。
違いは、ファインダーの最大輝度(明るさ)。
Z5IIは最新機種だけあり、最大で3000cd/m2の非常に明るいファインダーを採用しています。
この明るさは、ニコンの最上位機(フラッグシップ)であるZ9と同じ明るさと言うのですから驚きです。
Zfは最大で1000cd/m2の明るさを確保。
Z5IIよりも明るくはありませんが、1000cd/m2の明るさも十分。
公式ホームページで、ファインダーの明るさをアピールしているZ50IIのファインダー最大輝度は1000cd/m2。
そう考えると、Zfのファインダーの明るさでも全く問題ないと言って良いでしょう。
私は、Zfを愛用していますが、ファインダーの明るさが必要な屋外の晴天時においても不満に感じることはありません。
とはいえ、明るい方が有利なことに変わりはありません。
ファインダーの輝度(明るさ)を重視する方は、Z5IIを選択しましょう。
⑤手ブレ補正性能|Zfが優秀
Z5IIとZfは、共に5軸手ブレ補正を採用しています。
5軸手ぶれ補正は、角度ブレ、シフトブレ、回転ブレを抑えることができる高性能な手ぶれ補正機構。5つの軸を同時に補正することで、非常に高い手ブレ補正効果を発揮します。
効果の高い5軸手ブレ補正ですが、そのスペックには違いがあります。
- Z5II 中央7.5段、周辺6段
- Zf 8段
手ブレ補正は、段数が多いほど補正効果が高くなります。
Z5IIは写真の中央と周辺で補正効果が異なります。
中央だけシャープで周辺でブレていては、写真としての見栄えはよくありませんので、事実上6段の補正効果と捉えて問題ありません。
Z5IIとZfの手ブレ補正効果は、28mmレンズを使用した場合は以下のようになります。
- Z5II 2.3秒まで手持ち撮影が可能
- Zf 9.1秒まで手持ち撮影が可能
たった2段の差ではありますが、手ブレ補正効果にはこれほどの差があります。
上記の効果はあくまでも理論値であり、実際に補正効果がもっと低くなりますので参考程度に捉えてください。
Zfを使用している私の体感では、Zfは6段程度の補正効果という印象。
- Z5II 1秒まで手持ち撮影が可能(4.5段程度の補正効果)
- Zf 2秒まで手持ち撮影が可能(6段程度の補正効果)
Z5IIとZfの手ブレ補正効果に差があるとはいえ、1秒や2秒の長秒露光をするのは稀。
手持ち夜景や流れる滝を、頻繁に撮影するのならともかく、通常の撮影ではどちらの手ブレ補正でも全く問題ないレベルです。
しかし、体感値でも1.5段程度の差はありますので、より高い手ブレ補正効果が欲しい方はZfを選択しましょう。
⑥価格|Z5IIが優秀
スペックは同等のZ5IIとZf。
価格については、Z5IIに軍配が上がります。
2025年6月現在の価格は、Zfが26.9万円であるのに対し、Z5IIは23.3万円と非常に安価。
差額は3.6万円ほどありますので、その差額でレンズを追加するのもアリです。
価格を重視する方は、Z5IIを選択しましょう。
Z5IIの特徴とオススメな人


Z5IIは、2025年に発売されたニコンのフルサイズミラーレスカメラの最新モデル。
前機種Z5からオートフォーカス性能を大幅にアップデート。
2023年発売のZfの性能をそのままに、大型のグリップとほんの少しの軽量化を実現。
何より価格が、Zfよりも3.6万円安いというのは嬉しいポイントです。
- フルサイズセンサーによる優れた画質(Zfと同等)
- 被写体認識を搭載した優秀なオートフォーカス性能(Zfと同等)
- 4K60P(クロップ)が撮影可能な動画性能(Zfと同等)
- バリアングルモニターの採用により、自撮り可能(Zfと同等)
- 日中に嬉しい高輝度(明るい)ファインダーを搭載
- 大型グリップの採用により、大きなレンズでも安定して保持できる
- Zfよりも安い(3.6万円安)
画質・オートフォーカス性能・動画性能は、ニコンZfと同等。
Zfと比較して、しっかりとした大型グリップを備えているので、大きなレンズでも安定して撮影できます。
また、非常に明るいファインダーを搭載しているため、屋外でのファインダー像も極めて良好。
ボディの質感や手ブレ補正効果などは若干劣るものの、それ以外は同等以上。
それでいてZfよりも低価格ですので、Z5IIはほとんどの方にオススメできるカメラに仕上がっています。
デザインやボディの質感など、Zfに惚れ込んでいないのであれば、Z5IIをオススメしたい。
差額は3.6万円。低価格なレンズ1本分ですので、差額で交換レンズを楽しむのもアリです。
Zfの特徴とオススメな人


Zfは、2023年にニコンから発売されたフルサイズミラーレスカメラ。
クラシカルなデザインでありながら、スペックは非常に高性能。
ファッションとしての要素だけでなく、画質や実用面もしっかり考えられたカメラになっています。
メインカメラとしても十分に活躍できる性能を兼ね備えている点は、嬉しいポイントです。
- クラシカルでオシャレなデザイン
- 質感にこだわったボディ塗装・真鍮製のダイヤル
- フルサイズセンサーによる優れた画質(Z5IIと同等)
- 被写体認識を搭載した優秀なオートフォーカス性能(Z5IIと同等)
- 4K60P(クロップ)が撮影可能な動画性能(Z5IIと同等)
- バリアングルモニターの採用により、自撮り可能(Z5IIと同等)
- 優秀な8段分の5軸手ブレ補正


Z5IIと同様の性能でありながら、ファッションとしても通用するクラシカルなルックスのZf。
外観だけでなく、ボディそのものも質感も非常に高いと感じます。


ボディに厚く塗られた半艶塗装に加え、ダイヤルは真鍮製の金属ダイヤルを採用。
Z5IIの質感も悪くはありませんが、使っていて高揚感が得られるのはZfならでは。
性能そのものは最新鋭で、メインとして通用するほど優れています。
デザインにこだわりたい。カメラを持つ喜びを大切にしたい。
何より、お気に入りのカメラで写真を撮る「撮影体験」を大切にしたい方は、Zfがオススメです。
まとめ
Z5IIとZfの違いについて解説しました。
性能にはほとんど差がありませんが、それぞれに優れたポイントがあり、オススメしたい人も違う。
自分の用途にあった、カメラを選択しましょう。
- Z5IIは写真をしっかりと撮りたい人
- Zfは撮影体験を大切にしたい人