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ゆゆねこ
30代の子育て世代。 130以上のカメラを使用してきた経験から、カメラの情報や写真について発信していきます。現在は主にα1、RX100m7、Zf、Zfcを使用中。世の中の皆が、最高のカメラと出会い、一人でも多くの人が写真を楽しめますように。

Xperia PRO-Iレビュー・作例|写真と動画に特化した不遇の銘機

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Xperia PRO-I
ゆゆねこ
30代の子育て世代。 130以上のカメラを使用してきた経験から、カメラの情報や写真について発信していきます。現在は主にα1、RX100m7、Zf、Zfcを使用中。世の中の皆が、最高のカメラと出会い、一人でも多くの人が写真を楽しめますように。

写真と動画に特化したスマートフォン、Xperia PRO-I。

1インチの大型センサーを搭載し、ソニーのミラーレスカメラαシリーズの技術を融合させた意欲作です。

発売時の価格は約20万円。

人気が出なかったのか後継機が出ることなく、世の中から姿を消しました。

私は2021年にXperia PRO-Iを購入し、カメラとして4年間愛用してきました。

2025年現在でも、カメラ性能はトップレベル。

特にオートフォーカスや画作りの面を考えると、いまでも自信をもってオススメできるスマートフォンです。

Xperia PRO-Iに気になっている方が知りたいのは、やはり「カメラとして通用するのか」ですよね?

そこで本記事では、Xperia PRO-Iを4年間使い込んだ私が、写真作例とともにカメラ性能を徹底レビューします。

Xperia PRO-Iは本当に良いカメラですよ。

目次

作例

Xperia PRO-Iの作例を見ていきましょう。

Xperia PRO-I 作例
Xperia PRO-I 作例|24mm相当 F2 ISO100

建物から見下ろした東京駅の一枚です。

光の捉え方が優秀で、被写体にしっかりと立体感が生まれています。

これが大型センサーを搭載した恩恵なのでしょう。

シャドー部のトーンのつながりも自然で、見ていて気持ちのいい表現です。

一方で、ハイライト側はあまり粘らない印象があります。

少しアンダー目に撮っておくことで、Xperia PRO-Iの魅力を最大限に引き出すことができます。

Xperia PRO-I 作例
Xperia PRO-I 作例|24mm相当 F2 ISO100

室内から捉えた東京駅。

明暗差の大きいシーンですが、ハイライトからシャドーまでの階調表現が絶妙で、スマホとは思えない仕上がりです。

よく見るとハイライトはわずかに白飛びしていますが、写真全体として見れば気にならない程度に抑えられています。

Xperia PRO-I 作例

東京に足を運ぶとつい立ち寄ってしまう国際フォーラム。

Xperia PRO-Iで撮ると、いわゆる“スマホ写真”とはまったく別次元の写りに感じます。

写真の周辺部まで極めてシャープで、像の流れもほとんど見られません。

どんなシーンでも安心して使っていける——そんな信頼感のある描写です。

Xperia PRO-I 作例
Xperia PRO-I 作例|24mm相当 F2 ISO100

八角形の模様が印象的な東京駅のドーム。

室内の柔らかいトーンが忠実に再現されています。

よく見ると鳩よけのネットが張られているのですが、その存在がはっきり分かるほど鮮明な描写

スマホでここまで解像するのかと、思わず感心してしまう仕上がりです。

Xperia PRO-I 作例
Xperia PRO-I 作例|24mm相当 F2 ISO100

東京の街角の一角。

こういう何気ない場所を撮って絵になるのも、Xperia PRO-Iのすごいところ。

普通のスマホでは、なかなかこうはいきません。

Xperia PRO-I 作例
Xperia PRO-I 作例|50mm相当 F2.4 ISO64

50mmレンズは画質は平凡なものの、使い勝手は良好。

24mmのメインレンズと比べれば見劣りするものの、スマホで撮った写真としては十分な仕上がりです。

Xperia PRO-I 作例
Xperia PRO-I 作例|50mm相当 F2.4 ISO64

50mmレンズでも、順光であればしっかりとした描写を見せてくれます。

コントラストの効いた絵作りがビルの質感とマッチしており、良い雰囲気に仕上がっています。


Xperia PRO-I 作例
Xperia PRO-I 作例|24mm相当 F2 ISO100

空に映えるカラーテープ。

写真の中心部はもちろん、周辺までシャープな像を結びます

原色系の色合いもしっかりと表現されており、実に気持ちの良い描写です。

Xperia PRO-I 作例
Xperia PRO-I 作例|50mm相当 F2.4 ISO320

自然や建物だけでなく、スイーツだって綺麗に撮りたい。

Xperia PRO-Iは、そんな要望にもしっかりと答えてくれます。

パフェのみずみずしさ、伝わりますでしょうか。

使用したのは50mm相当の標準レンズ。

センサーサイズは1/2.9インチと大きくはありませんが、日常使いなら十分に満足できる描写です。

スペック

簡単にスペックを見ていきましょう。

超広角カメラ1220万画素 1/2.55インチセンサー
16mm相当 F2.2
広角カメラ1220万画素 1インチセンサー
24mm相当 F2-4(可変絞り)
標準カメラ1220万画素 1/2.9インチセンサー
50mm相当 F2.4
オートフォーカス性能リアルタイムトラッキング、リアルタイム瞳AF、毎秒60回の演算
連写20コマ/秒(24mm、JPEG)
動画4K 120/60/30/25/24 fps
RAW12bitRAW(24mm相当レンズ)
※16mm、50mm相当レンズのbit数は非公開
ストレージ512GB + micro SD
サイズ約72mm×約166mm×約8.9mm
質量約211g
Xperia PRO-I スペック

カメラは16mm、24mm、50mm相当の3つのレンズを搭載

Xperia PRO-Iのメインカメラである24mmには、大型の1インチセンサーが採用されています。

毎秒60回の演算により卓越したオートフォーカス性能を実現。

12bit RAWに対応するなど、カメラ好きにうれしい機能も兼ね備えています。

よかった点(メリット)

よかった点

Xperia PRO-Iのよかった点(メリット)は、次の9点。

①スマホとは思えない高画質

Xperia PRO-I 作例
Xperia PRO-I 作例|24mm相当 F2 ISO100

Xperia PRO-Iは24mm相当のメインカメラに、大型の1インチセンサーを採用。

スマホとは思えない高画質な写真を撮影できます。

カメラに特化した意欲作だけのことはあり、ほかのスマホとは一線を画す画質

写真中心部はもちろんのこと、周辺までシャープな像を結びます。

ノイズリダクションのかかりも自然ですので、細部が潰れがちなスマホ画質とは異なり、カメラで撮ったような写真を残せるのもうれしいポイントです。

ミラーレスカメラや大型センサーのコンデジにかなうとは言えませんが、必要にして十分な画質。

スマホでこれだけの写真が撮れるようになったとは、よい時代になったものです。

Xperia PRO-I

また、Xperia PRO-Iは可変絞りに対応。

24mmレンズ使用時のみF2とF4の絞りを選択できます。

被写界深度(ピントの合う範囲)を自分好みに調整できるので、ありがたい機能です。

ゆゆねこ

iPhoneでも綺麗な写真を撮れますが、細部は塗り絵のように潰れてしまいます。Xperia PRO-Iはノイズが載るものの、細部がしっかりと描かれている点が大変好みです。

②使いやすい3つのレンズ|16mm・24mm・50mm

Xperia PRO-I|16mm・24mm・50mm
Xperia PRO-I|16mm・24mm・50mm

Xperia PRO-Iには3つのレンズを搭載しています。

超広角の16mm。広角の24mm。標準の50mm。

普段からカメラを使っている人には、おなじみの焦点距離ですよね。

Xperia PRO-I 作例
Xperia PRO-I 作例|50mm相当のレンズ

3つめのレンズが50mmというのがうれしいポイントです。

カメラが複数付いているカメラでも、超広角、広角の次は望遠レンズ(70mm以上)という組み合わせも珍しくありません。

望遠レンズは被写体を引き寄せて撮影できますが、普段使いでは画角が狭すぎて使いにくいもの。

50mmであれば被写体を際立たせつつ、ほどよい距離感で撮影できるので使い勝手が良いのです。

16mmの超広角はiPhoneと比べると若干狭いものの十分な広さ。

むしろ広すぎない分、汎用性はこちらの方が有利といった印象です。

③ピントを外さないオートフォーカス性能

Xperia PRO-Iはソニーのミラーレスカメラαのオートフォーカス性能を継承。

プロがスポーツ撮影にも使用しているα9と同等のオートフォーカスを実現しています。

被写体を補足すると鬼のような追従性を発揮。

ピントを外した写真を撮るのが難しいほどです。

Xperia PRO-Iは毎秒60回も演算を行うため、一般的なミラーレスカメラよりもオートフォーカス性能は上。

実際にα9も使用していましたが、オートフォーカス面は同等と断言できるほど素晴らしい完成度です。

子供など予測不能な動きをする被写体にも難なく追従するので、撮影はストレスフリー。

人物瞳オートフォーカスに加え、動物瞳オートフォーカスにも対応しているので瞳へのピントもバッチリです。

④独立したシャッターボタン

Xperia PRO-I|独立したシャッターボタン
Xperia PRO-I|独立したシャッターボタン

Xperia PRO-Iは、スマートフォンとしては珍しく“独立したシャッターボタン”を備えています。

カメラのように構えてシャッターを切れるため、撮影体験はスマホというよりも“カメラそのもの”。

テンポよく撮影でき、撮っていて実に心地よいのです。

さらに、シャッターボタンの半押しにも対応

半押しでピントを合わせ、押し込んでシャッターを切る。

カメラで撮影しているような撮影体験が得られます。

もちろん、シャッターボタンの有無で写真の良し悪しが決まるものではありません。

しかし、心地よい操作感は撮影者の気分を自然と高めてくれます

気分が乗ってくれば、自ずと良い写真が撮れるのです。

Xperia PRO-Iのシャッターボタンは、機能的な利点だけでなく、“撮影者の内面にも効く”特別な存在だと感じています。

⑤カメラの起動が速い

Xperia PRO-Iは、本体横のシャッターボタンを長押しするだけで、即座にカメラを立ち上げられます。

①ロックを解除、②画面をスワイプ、③カメラアプリをタッチ。

一般的なスマホでは当たり前の動作が、Xperia PRO-Iでは一切必要ありません。

余計な操作がない分、ストレスなく撮影に入れるのです。

しかも起動が速い

愛用しているコンデジRX100m7よりも速く感じるほどで、速写性はスマホとは思えないレベル。

速写性に優れるので、アッと思った瞬間にサッと撮れます。

この起動の速さに慣れていると、他のスマホカメラの起動がおっくうになるほど快適です。

⑥12bit RAWに対応

Xperia PRO-IはJPEGだけでなくRAWにも対応。

RAW現像により、豊かな階調表現が可能です。

24mmの広角カメラは、情報量の多い12bit RAWが採用されています。

元データの階調がとても豊かなので、ワンランク上の写真に仕上げることができます。

JPEGは8bit(256階調)。

一方で12bit RAWは4096階調の色情報を持ちます。

最終的には8bitに落とし込むのですが、元が4096階調あるので現像時(写真編集時)の編集耐性がまるで違うのです。

なお、超広角16mmと標準50mmはRAW対応しているものの、bit数は公表されていません。

現像した感覚では10bit程度という印象。

10bitでも1024階調ありますので、RAW現像の醍醐味は十分に味わえます。

とはいえ、画質にこだわるなら24mmが圧倒的に有利。

基本は24mmを使い、必要なときだけ16mmや50mmに切り替えるのがオススメです。

⑦ストラップ取り付けが可能

Xperia PRO-I|ストラップ取り付け口
Xperia PRO-I|ストラップ取り付け口

Xperia PRO-Iは本体横に、ストラップの取付口を備えています。

これが実に便利。

ストラップをつけておけば、落下の心配をせずに撮影に集中できます。

スマホにストラップホールがあるのは珍しく、非常にありがたい配慮です。

Xperia PRO-Iを購入したら、落下防止のためにストラップは必ず用意しておきたいところ。

私は小型のフィンガーストラップを愛用していますが、取り回しがよくとても快適です。

⑧快適なカメラ操作を実現

Xperia PRO-Iの写真アプリ|Photography Pro
Xperia PRO-Iの写真アプリ|Photography Pro

Xperia PRO-Iは、ソニーのミラーレスカメラαシリーズでお馴染みの操作画面を採用

ソニーのカメラを使っている方なら、迷うことなく操作が可能です。

左側にライブビュー(映像)、右側には設定画面が常に表示されています。

右側の設定画面をタッチすることで、すばやく設定の変更が可能。

機能にダイレクトにアクセスできるので、本当に快適です。

⑨卓越した動画性能

Xperia PRO-Iの動画アプリ|Video Pro
Xperia PRO-Iの動画アプリ|Video Pro

Xperia PRO-Iは写真だけでなく、動画機能も優秀です。

一般的な4K動画に加えて、スローモーション撮影に使える4K120pにも対応。

手ぶれ補正もよく効くため、気軽に高画質な映像を残せます。

歩き撮りでも映像が安定しており、補正効果は十分という印象です。

屋外で動画撮影をすると気になるのが風切り音ですが、Xperia PRO-Iには優秀な風切り音低減機能を搭載。

風の強い場面でも安心して撮影でき、音声はしっかり保ちながら風切り音だけを効果的に抑えてくれます。

体感としては、アクションカメラのOSMO Action 4よりも風切り音低減がよく効く印象です。

さらに10bit HLGにも対応しており、ダイナミックレンジの広い映像表現が可能。

スマホとは思えないクオリティの動画が撮れるので意外と重宝しています。

気になる点(デメリット)

気になる点

満足度の高いXperia PRO-Iですが、気になる点(デメリット)もありました。

気になる点は以下の3点。

①広角レンズ以外の画質は平凡

Xperia PRO-Iは、16mm・24mm・50mm相当の3つのレンズを搭載しています。

この中で高画質なのは、1インチセンサーを採用した広角24mm。

しかし、超広角16mmと標準50mmはセンサーサイズが小さいため、画質は一般的なレベルに留まっています。

すべての画角(レンズ)で高画質な写真が撮れる、と思って購入すると少し肩すかしを感じるかもしれません。

Xperia PRO-I 作例
Xperia PRO-I 作例|50mm相当のレンズ

とはいえ、特別感が薄いだけで画質そのものは十分に良好。

スマホ写真として見れば、どちらのレンズも必要十分なクオリティです。

基本は24mmを中心に撮影し、16mmと50mmは飛び道具として必要な場面だけ使う。

このスタイルで撮影すれば、大きな不満はありません。

②機能は豊富だが使用の制限がある

Xperia PRO-Iは写真・動画に特化した多くの機能が盛り込まれています。

本来であれば、これらの機能をいつでも自由に使えるのが理想ですよね。

残念ながら、組み合わせによって一部の機能が制限される場面があります。

機能の制限について、購入前にしっかり押さえておきましょう。

Xperia PRO-Iの機能制限
  • RAWまたはRAW+JPEG選択時は連写できない
  • RAW選択時はSDカードに保存できない
  • ISOオート時の「シャッタースピード低速限界設定」の機能がない
  • 動画撮影中はレンズの切り替えができない(録画を停止すれば可能)
  • 動画アプリのVideo Pro / Cinema Proは英語表示のみ

こうした制限はあるものの、用途を理解して使い分ければ大きな支障にはなりません。

機能の特性を知ったうえで使えば、Xperia PRO-Iの魅力をより深く味わえるはずです。

ゆゆねこ

RAW選択時に連写できないというのが、個人的にはネックに感じています。

③画面が縦に長い

Xperia PRO-Iは、21:9の縦長ディスプレイを採用しています。

そのため、ポケットへの収まりが若干気になりました

とはいえ、本体は薄型ですのでバッグへの収納性は良好。

カメラ機能メインで使う分には問題になりません。

ポケットインでXperia PRO-Iを使おうと考えている人は、サイズ感を確認しておくことをオススメします。

まとめ

写真と動画に特化したスマートフォン、Xperia PRO-I。

高画質で、オートフォーカスも実に優秀。

2025年現在でも十分に通用するほど優れたカメラ性能です。

Xperia PRO-Iは、本当にいいカメラですよ。

そして何よりの証拠は、私自身がこの4年間ずっと使い続けているという事実。

使うほどに魅力が深まる、そんな一台です。

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この記事を書いた人

30代の子育て世代。 130以上のカメラを使用してきた経験から、カメラの情報や写真について発信していきます。現在は主にα1、RX100m7、Zf、Zfcを使用中。世の中の皆が、最高のカメラと出会い、一人でも写真を楽しめますように。

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