言わずと知れたソニーのコンパクトデジタルカメラ、RX100。
私は、初代RX100から最新のRX100m7まで、様々なRX100シリーズを購入し使用してきました。
そんな中、よくこの様な相談を受けることがあります。
「初代RX100を今から買うのはありですか?」
なるほど、非常に気になりますよね。
結論から言うと、2024年現在において初代RX100を購入するのは「あり」です。
10年以上前に発売されたカメラですが、画質や基本機能においては初代RX100の時点で高い完成度を誇っていました。
もちろん、万人にオススメできるカメラではありませんが、画質に関しては最新機種のRX100m7と遜色ありません。
初代RX100から最新のRX100m7まで使用してきた私が、初代RX100のメリット・デメリットについて作例も交えて紹介します。
- RX100 累計3回
- RX100m3
- RX100m5
- RX100m6
- RX100m7 現在も保有中
Cyber-shot RX100とは
RX100は、2012年にソニーから発売された高級コンパクトデジタルカメラ。
コンデジと言えば1/1.7インチや1/2.3が主流だった時代、1インチという大型センサーを引っ提げ登場。
その圧倒的な画質から、他社は苦戦を強いられました。
コンデジとしては異例のロングセラーとなり、2021年まで販売。
現在では、販売が終了しており中古でのみ入手可能です。
私は、3回も初代RX100を購入しました
どうして3回も買ったんだろうね?
作例
RX100の作例を見ていきましょう。
広角側28mm(35mm換算)で撮影。
F6.3まで絞っていることもありますが、写真の周辺まできっちり解像しています。
丘の右上のベンチや植物を見ると、シャープすぎることなく、繊細に表現されていることが分かります。
植物に覆われた山の立体感。思わず感心してしまいます。
手前のガードレールのサビもいい味ですよね。
暗部も変に潰れることなく、しっかりと描写してくれるのもRX100の強みです。
広角側28mm(35mm換算)で撮影。
シャドー部も潰れることなく、しっかりと階調が感じられます。
ダイナミックレンジの広さは1インチセンサーならでは。
小型センサーのコンデジやスマホとは、一線を画す画質です。
滝の裏側から撮影。シャッタースピードは1/15秒。
RX100は手ブレ補正を搭載しているので、スローシャッターも可能です。
スッキリとした色表現が魅力的ですよね。
ホワイトバランスが、青に転びやすいRX100ですが、このようなシーンではプラスに働きます。
初代RX100はシリーズ唯一の表面照射センサー。
低感度(低ISO)での写りやノイズの少なさは、シリーズの中でも優秀です。
特に、空を含めて撮影したシーンでは、初代RX100の魅力が光ります。
望遠側100mm(35mm換算)、絞り開放での作例。
画面中央の富士山は十分に解像。
望遠側も絞り開放から、十分に使っていけます。
周辺部の写りも期待以上。
左上の山々を見ると、そのことが感じ取れるのではないでしょうか。
初代RX100は、シャープすぎない非常に繊細な写りをします。
氷柱の質感、いかがでしょうか。
ハイライトとシャドーが入り混じる厳しい条件ですが、きちんと写真として成立しています。
大したものです。
夕暮れの空を撮影。
撮ろうと思っても、いい夕暮れには中々出会うことはできません。
いつ出会えるか分からないチャンスのために、大きなカメラを持ち歩くのはナンセンス。
こういう時に、RX100のコンパクトさはありがたいですよね。
手のひらに収まるRX100は、私たちの心強い相棒になってくれます。
コンパクトなサイズは、飛行機の機内持ち込みも楽々。
写真も、周りを気にせず撮影することができます。
大きいカメラでは、こうは行きません。
空のトーンの繋がりが美しいですよね。
翼の陰影も中々ではないでしょうか。
このサイズで、この写り。
初代RX100、侮れません。
シャドー側の豊かな階調表現は、RX100の強みですね。
10年以上前の1インチセンサーとは思えません。
それほど、初代RX100の完成度が高かったのでしょう。
大阪の有名ポイントで撮影。
撮影は2月の18時半ごろ。
周りは真っ暗でしたが、街中であればRX100でも十分に撮影可能。
夜に弱いとされるコンデジですが、灯りのある場所であれば大きな問題ではないでしょう。
スペック
RX100のスペックを紹介します。
歴代RX100シリーズと比較しています。
RX100 | RX100m2 | RX100m3 | RX100m4 | RX100m5 RX100m5A | RX100m6 | RX100m7 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
センサーサイズ | 1インチ | 1インチ | 1インチ | 1インチ | 1インチ | 1インチ | 1インチ |
有効画素数 | 約2020万画素 | 約2020万画素 | 約2010万画素 | 約2010万画素 | 約2010万画素 | 約2010万画素 | 約2010万画素 |
レンズ 35mm換算 | 28-100mm | 28-100mm | 24-70mm | 24-70mm | 24-70mm | 24-200mm | 24-200mm |
ズーム倍率 | 3.6倍 | 3.6倍 | 2.9倍 | 2.9倍 | 2.9倍 | 8.3倍 | 8.3倍 |
開放F値 | F1.8-4.9 | F1.8-4.9 | F1.8-2.8 | F1.8-2.8 | F1.8-2.8 | F2.8-4.5 | F2.8-4.5 |
ファインダー | 144万ドット | 236万ドット | 236万ドット | 236万ドット | 236万ドット | ||
内蔵フラッシュ | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
手ぶれ補正 | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
可動液晶 | チルト (自撮不可) | 180°チルト | 180°チルト | 180°チルト | 180°チルト | 180°チルト | |
NDフィルター | 3段 | 3段 | 3段 | ||||
アクセサリーシュー | あり | ||||||
タッチパネル | 対応 | 対応 | |||||
スマホ連携 | あり | あり | あり | あり | あり | あり | |
USB充電 | microUSB | microUSB | microUSB | microUSB | microUSB | microUSB | microUSB |
低速限界設定 | あり | あり | あり | あり | |||
RAW記録 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
質量 (バッテリーSD含む) | 約240g | 約281g | 約290g | 約298g | 約299g | 約301g | 約302g |
サイズ | 約102×58×36mm | 約102×58×38mm | 約102×58×41mm | 約102×58×41mm | 約102×58×41mm | 約102×58×43mm | 約102×58×43mm |
価格 | 中古 約4.5万円 | 中古 約5万円 | 中古 約7.5万円 | 中古 約9万円 | 約11.7万円 | 中古 約12万円 | 約16.6万円 |
最新機種のRX100m7が全て優れていると思いきや、そうでもありません。
追加された機能もありますが、無くなった機能もあります。
必要なスペックが決まっている方は、比較表と睨めっこしてみて下さい。
RX100シリーズの違いを詳しく知りたい方は、こちら。
RX100の良い点(メリット)
RX100の良かった点(メリット)を紹介します。
- 優れた画質|最新RX100シリーズと同レベル
- コンパクト|RX100シリーズ最軽量
- 良好なコストパフォーマンス|安価
- 使いやすいズームレンジ
- シンプルなデザイン
①優れた画質|最新RX100シリーズと同レベル
RX100はコンデジとしては大型の1インチセンサーを搭載。
2024年現在でも、十分に通用する画質を誇っています。
最新モデルのRX100m7と比較しても、遜色ないレベル。
非常に高画質な写真を撮ることが可能です。
発売は2012年ですが、2021年まで現役で販売されていてのも頷けます。
初代RX100の時点で、画質は完成していたと言っても過言ではありません。
②コンパクト|RX100シリーズ最軽量
初代RX100はRX100シリーズの中で最軽量。
その重さは、わずか240g(バッテリーSD含)。
厚みも約36mmと、最も薄い。
RX100(初代) | RX100m7(最新機種) | |
---|---|---|
質量 (バッテリーSD含) | 240g | 302g |
厚さ | 約36mm | 約43mm |
コンデジはコンパクトな方が良いですよね。
そんな方には、初代RX100がオススメです。
実際に持ってみると、数値以上の差に感じます。初代RX100の方が、かなり軽く感じますよ!
バッグの隙間に入りやすいRX100の薄さは魅力的です。
③良好なコストパフォーマンス|安価
RX100シリーズの中では、初代RX100が最も安価。
性能が十分であれば、安いに越したことはありません。
お財布に優しいのも、初代RX100の嬉しいポイントです。
コストパフォーマンスで選ぶなら、初代RX100が最もオススメです。
④使いやすいズームレンジ
初代RX100は(35mm換算)28-100mm のズームレンズを搭載。
非常に使い勝手の良いズーム域を実現しています。
機種 | ズーム域 | ズーム倍率 |
---|---|---|
RX100 RX100m2 | 28-100mm | 3.6倍 |
RX100m3 RX100m4 RX100m5(a) | 24-70mm | 2.9倍 |
RX100m6 RX100m7 | 24-200mm | 8.3倍 |
初代RX100は、レンズ交換式カメラで使い勝手が良いレンズの代表格24-105mmとほぼ同じズーム域をカバー。
そのため、日常の撮影においてはほとんど困ることはありません。
どうしても、広角側が24mm欲しい人以外は、十分に満足できるのではないでしょうか。
私の撮影では、28-100mmのズーム域があれば、8割以上の写真は賄えます!
⑤シンプルなデザイン
初代RX100は、RX100シリーズの中で一番シンプル。
チルト(可動)液晶もファインダーもありません。
その代わりに手に入れたのは、シンプルなデザイン。
初代RX100のモダンでシンプルなデザインは、非常に好感が持てます。
私は、初代RX100のデザインが一番好みです!
RX100の気になるポイント(デメリット)
RX100の気になるポイント(デメリット)について解説します。
- オートフォーカス性能|動体撮影は困難
- タッチパネルがない
- ファインダーがない
オートフォーカス性能|動体撮影は困難
RX100は10年以上に発売されたカメラ。
当然、オートフォーカスの性能も10年前です。
ソニーお得意の瞳オートフォーカスやリアルタイムトラッキングといった機能は皆無。
動体の撮影は困難と言っていいでしょう。
しかし、画質に関しては、最新のRX100m7にも引けをとりません。
静止物や風景撮影であれば、まだまだ十二分に活躍できます。
タッチパネルがない
初代RX100は、タッチパネル非搭載。
フォーカスしたい場所をタッチしても無反応。
十字キーを駆使して、フォーカスポイントを選びましょう。
RX100シリーズでタッチパネルを搭載しているのは、RX100m6とRX100m7のみ。
RX100シリーズへのタッチパネル搭載は遅かったよね。
ファインダーがない
初代RX100にはファインダーがありません。
直射日光が降り注ぐ真夏の撮影では、やはりファインダーが欲しくなってしまいます。
しかし、ファインダーがない事で、この軽量ボディを手に入れたのも事実。
屋外では見にくいですが、頑張って液晶を見ましょう。
スマホもファインダーはないですし!
初代RX100を今更買うのは「あり」なのか?
初代RX100を今更買うのは「あり」なのか?
結論は、「あり」。
理由は3点。
- 現在でも十分に通用する画質
- 小型軽量ボディ
- コスパ抜群
①現在でも十分に通用する画質
メリットにも書いていますが、RX100の写真は現在でも十分に通用する画質です。
画質面に関しては、最新モデルのRX100m7と同程度。
最新の機能やオートフォーカスが必要なければ、初代RX100が最もオススメです。
ちなみに、28-35mmの焦点距離では、RX100シリーズの中で最も明るい(F値の低い)レンズになっているよ!
②小型軽量ボディ
初代RX100は、RX100シリーズの中で最軽量。
わずか240gです。
荷物は軽ければ軽いほど良い。
ついでに、画質も優秀な方がいい。
そんな方には、初代RX100がピッタリではないでしょうか。
③コスパ抜群
極め付けは、初代RX100が最も安いという事。
同じ画質で撮れるなら、安いに越したことはない。
初代RX100は最初に発売されたこともあり、最も安価。
コスパを重視する方にもオススメです。
RX100を買う時の注意点
初代RX100は販売期間が長かったこともあり、販売時期によって若干仕様が異なっています。
- 新品は販売終了→中古しかない
- 製造時期によって製造国が異なる
- レンズに記載されているZEISS文字
①新品は販売終了→中古しかない
初代RX100は、2021年に新品での販売を終了。
そのため、現在では中古のみでの販売となっています。
②製造時期によって製造国が異なる
初代RX100は、発売時期によって製造国が異なります。
発売当初 → 日本製
途中から → 中国製
日本製を手に入れたい方は、初期のRX100を探してみてください。
③レンズに記載されているZEISS文字
発売時期によって、レンズの表記も異なります。
発売当初 → Carl Zeiss
途中から → ZEISS
ZEISS表記のRX100の方が、製造年が新しいです。
製造年が新しいRX100を希望の方は、レンズの表記がZEISSのものを選択しましょう。
RX100と一緒に買うと便利なもの
RX100と一緒に買うと便利なものを紹介します。
- SDカード
- 液晶保護フィルム
- アタッチメントグリップ|後付グリップ
①SDカード
UHS-IIには対応していないので、UHS-Iタイプを購入しましょう。
(UHS-IIのSDカードも使えますが、UHS-I相当の速度での動作になります)
オススメのSDカードを紹介しておきます。
容量は、写真を撮るだけなら64GBで十分です。
参考|64GBではJPEGだけで約5600枚、RAW+JPEGで約1900枚ほど記録できます。
毎月のAmazonセールで安くなる事が多いため、セールの時に購入するとお得です。
Nextorage | Nextorage | SanDisk | |
---|---|---|---|
SDカードタイプ | UHS-I | UHS-I | UHS-I |
商品名 | NF1A128 | NF1A256 | SDSDXXU-064G-GHJIN |
速度 | 読込:100MB/s 書込:80MB/s | 読込:100MB/s 書込:80MB/s | 読込:200MB/s (カメラでは最大読込104MB/s) 書込:90MB/s |
容量 | 128GB | 256GB | 64GB |
価格 | 1,990円 | 3,280円 | 2,425円 |
NextorageのSDカードが最もおすすめですが、最近は在庫切れであることが多いのです。
そんな時は、SanDiskを選びましょう。
②液晶保護フィルム
カメラを落としたりするとモニターに傷が付きます。
よく持ち歩くコンデジだからこそ、液晶保護フィルムは欠かせません。
液晶保護フィルムはソニー純正がオススメ。
私は、初代RX100を3回買いましたが、液晶保護フィルムは必ずこちらを買っています。
③アタッチメントグリップ|後付グリップ
モダンでスタイリッシュなデザインのRX100。
グリップ部もシンプルです。
そのため、非常に滑りやすい。
RX100を購入してみて、グリップがイマイチだと感じた方は、後付グリップを検討してみましょう。
ソニーから純正の後付グリップが発売されていますので、こちらがオススメです。
私も、RX100シリーズ購入の際は、必ず購入しています。
まとめ
「コンパクトで優秀な画質。それでいてお財布に優しい価格。」と3拍子揃った初代RX100。
2024年現在において初代RX100を購入するのは「あり」です。
- 優れた画質|最新RX100シリーズと同レベル
- コンパクト|RX100シリーズ最軽量
- 良好なコストパフォーマンス|安価
- 使いやすいズームレンジ
- シンプルなデザイン
- オートフォーカス性能|動体撮影は困難
- タッチパネルがない
- ファインダーがない
最新機能を追い求める人は最新のRX100m7が良いでしょう。
しかし、初代RX100は最新のRX100m7にない魅力があるのも、また事実。
特にコスト、コンパクトさにウエイトを置く方にとっては、最善の選択肢と言えるのではないでしょうか。
初代RX100。今でも、今だからこそ自信を持ってオススメできる一台です。
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