ニコンのAPS-C専用キットレンズNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR。
このレンズ、キットレンズの常識を覆すほど“よく写ります”。
「安い・軽い・よく写る」
このレンズのためにニコンを選んでもいい、と言っても過言ではないほど素晴らしいレンズです。
普段は30万円クラスの高級レンズを使っている私ですが、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの写りに不満はありません。
強いて挙げるなら、「大きなボケは望めない」くらいのもの。
Nikon Zfcと一緒に迎えたこのレンズは、気づけば手放せない一本になりました。
本記事では、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの長期間使用レビューを、作例を交えて届けします。
このレンズをすでに持っている人は、絶対に手放してはいけません。
まだ手元にないのなら、迷わずに購入しましょう。
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRは、あなたの撮影体験を確実に底上げしてくれる一本です。
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRのスペック

| 焦点距離 35mm換算 | 24-75mm相当 |
| 開放F値 | F3.5(広角側) F6.3(望遠側) |
| 手ぶれ補正 | あり (公称値4.5段分) |
| フルサイズ対応 | DXモードにて対応 |
| サイズ(長さ) | 約32mm |
| 質量 | 約135g |
| 価格 | 約3.7万円 |
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRのスペックを簡単に確認しておきましょう。
35mm換算で24-75mmをカバーするAPS-C用の標準ズームレンズ。
質量135g、収納時の長さは32mmと小型軽量です。
公称値4.5段分のレンズ内手ブレ補正を搭載しているので、低速シャッター時でも安定して写真を撮ることができます。
新品価格は約3.7万円。
中古品やキットばらし品であれば、2万円程度から入手可能です。
良かった点(メリット)

NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの良かった点(メリット)は、以下の5点。
- キットレンズの常識を覆す高画質
- 軽量コンパクト
- 便利な24-75mm相当の3倍ズーム
- レンズ内手ブレ補正を搭載
- オートフォーカスは静音で高速(動画にも最適)
①キットレンズの常識を覆す高画質

NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの画質は、とにかく素晴らしい。
絞り開放から中心だけでなく、周辺部に至るまでシャープな像を結びます。
APS-Cのキットレンズで、ここまで安定した像を結ぶレンズは他にありません。


まさに“キットレンズの常識を覆す”一本。
階調の繋がりも滑らかで、特にシャドー部のグラデーションは上質。
RAW現像を楽しむ方なら、レンズの魅力をさらに引き出すことができます。

F値は大きめですので、大きなボケを狙えるレンズではありません。
しかしボケ以外の描写性能では全く不満がないほど、よく出来たレンズ。
私は30万円クラスの標準ズーム「ソニー FE 24-70mm F2.8 GMII」も愛用していますが、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの描写に不満を感じることはありません。

ボケは大きくないものの、ボケ質は非常になめらか。
望遠域を使って寄ることで、被写体を際立たせた写真を撮ることは十分に可能です。
高解像のレンズはボケが荒いことが多いですが、NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRは扱いやすいボケ質という印象。
安いキットレンズにも力を注ぐニコンの心意気に、感心するばかりです。
②軽量コンパクト


NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの質量はわずか135g。
軽量コンパクトですので、クラシカルなデザインにもNikon Zfcにもマッチしています。
カメラは“ボディ+レンズ”で成り立つもの。
レンズが重くなるとシステム全体が重くなり、自然と持ち出す頻度も下がってしまいます。
やはり、レンズは軽いに限ります。

また、薄いレンズ(奥行32mm)のおかげで、バッグへの収まりも良好。
小型レンズだからこそ、被写体への威圧感が少ないのも嬉しいポイント。
被写体の自然な表情や雰囲気を、そのまま写し取ることができます。
軽量コンパクトこそが正義。
デカくて重いレンズも良いですが、小さくて軽いレンズだからこそ撮れる写真もあるのです。
③便利な24-75mm相当の3倍ズーム

NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRは、小型軽量ながらズーム機構を搭載。
35mm換算で24-75mm相当の画角をカバーします。
24mm相当の広角から、被写体をクローズアップできる75mm相当までズームできるので、実に使い勝手の良いレンズ。
日常の8割以上は、この一本で完結する印象です。


描写そのものも広角から望遠まで安定しており、ズームレンズにありがちな望遠側の解像力低下もほとんど感じません。
どの焦点距離でもしっかり仕事をしてくれる、頼もしい一本です。
④レンズ内手ブレ補正を搭載
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRは、レンズ内手ブレ補正を搭載しています。
ニコンのAPS-Cミラーレスカメラは、ボディ側に手ブレ補正がありません。
レンズ側に手ブレ補正があるというだけで、撮影の幅が一気に広がります。

手ブレ補正がある “ありがたみ” を最も感じるのは、やはり室内や暗いシーン。
光量が少ない場面ではシャッタースピードが遅くなり、どうしても手ブレしやすくなります。
しかし、手ブレ補正があればブレを抑えたシャープな写真が撮影可能です。
補正効果はシャッタースピード4.5段分。
補正は良く効く印象で、広角側では0.5秒の手持ち撮影も可能です。
補正効果の感じ方には個人差があるものの、比較的よく効く手ブレ補正だと感じました。
⑤オートフォーカスは静音で高速(動画にも最適)
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRのオートフォーカスは、小型ズームとは思えないほど軽快に動きます。
近距離で動き回る子供の動きにもしっかり追従するほどのパフォーマンスを発揮。
高級レンズほど速くはありませんが、日常撮影では十分な速度です。
さらに、駆動音がほとんど聞こえないのも好印象。
動画で重要とされるフォーカスブリージングもよく抑えられています。
ピント位置を変えても画角の変動が少ないため、動画撮影にも最適なレンズです。
気になる点(デメリット)

満足度の高いレンズですが、気になる点もあります。
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの気になる点(デメリット)は、以下の3点です。
- マウント部がプラスチック
- 大きなボケは期待できない
- 撮影開始までにワンアクション必要|沈胴式
①マウント部がプラスチック
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRは、マウント部にプラスチックが採用されています。
プラスチックマウントは軽量化とコストダウンに寄与する一方で、金属マウントよりも耐久性が劣ります。
「できれば金属マウントを採用して欲しかった」というのが正直なところ。
とはいえ、実際に2年間使用しても大きな劣化やガタ付きはみられません。
耐久性に関しては、過度に神経質になる必要はなさそうです。
②大きなボケは期待できない
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの開放F値は、広角側F3.5・望遠側F6.3。
F値が大きいため、大きなボケは期待できません。

しかし、工夫次第である程度のボケは作れます。
望遠側にズームし、被写体に寄ることで、背景をほどよくぼかした写真を撮ることは十分可能です。
もちろん、大口径単焦点レンズのような“大きなボケ”は得られません。
ボケ量にこだわるのであれば、「NIKKOR Z 40mm f/2」などの明るい単焦点レンズを1本持っておくと、弱点をしっかりカバーできます。
ズームの便利さと単焦点のボケ。
この二つを組み合わせると、お互いの弱点をカバーしながら撮影できるので本当にオススメです。
③撮影開始までにワンアクション必要|沈胴式


NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRは、コンパクトな沈胴式レンズです。
そのまま撮影できそうに見えますが、収納状態のままでは撮影できません。
撮影するには、まずレンズを繰り出す必要があります。
この“ワンアクション”が、ほんの少し煩わしく感じるシーンも少なくありません。


とはいえ、対策方法がないわけではない。
あらかじめレンズを繰り出しておけば、速射性はぐっと向上します。
見た目は少し不格好になりますが、撮影までのテンポを乱しません。
バッグにしまう時はレンズを縮めておき、カメラを取り出すタイミングでレンズを繰り出す。
この動作に慣れてしまえば、スムーズに撮影に入れるのでおすすめです。
まとめ

- キットレンズの常識を覆す高画質
- 軽量コンパクト
- 便利な24-75mm相当の3倍ズーム
- レンズ内手ブレ補正を搭載
- オートフォーカスは静音で高速(動画にも最適)
- マウント部がプラスチック
- 大きなボケは期待できない
- 撮影開始までにワンアクション必要|沈胴式
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRは、キットレンズの常識を覆す一本です。
軽く、小さく、それでいて驚くほどよく写る。
広角から中望遠までしっかりカバーし、手ブレ補正や静音AFなど嬉しい機能も兼ね備えています。
弱点がないわけではありませんが、ユーザーの使い方や他レンズとの組み合わせでカバー可能。
気軽に持ち出せて、期待以上の写りが得られる。そんなレンズは多くありません。
すでに持っているなら、絶対に手放してはいけません。
まだ手元にないのなら、迷わずに購入しましょう。
NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRは、あなたの撮影体験を確実に底上げしてくれる一本です。
