ニコンZfとZfc用に特別な外装をまとった、NIKKOR Z 40mm f/2 SE。
小型軽量、開放F2の明るさを持ちながらも価格は控えめ。
ニコンの撒き餌レンズと言える存在です。
このレンズは、「買ってよかった」と心から言える一本。
私は今までに8本のNIKKOR Zレンズを購入しました。
- NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
- NIKKOR Z DX 24mm f/1.7
- NIKKOR Z 26mm f/2.8
- NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
- NIKKOR Z 35mm f/1.4
- NIKKOR Z 40mm f/2(SE)
- NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
- NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
現在は「NIKKOR Z 40mm f/2 SE」と「26mm f/2.8」、「DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」を残し売却。
NIKKOR Z 40mm f/2 SEを手元に残したのは、このレンズの描写に魅了されたから。
絞り開放ではふんわり、絞り込むごとにシャープになる。
オールドレンズを使っているような感覚を味わえます。
2年間使い込んだNIKKOR Z 40mm f/2 SE、作例も交えながら長期使用レビューをお届けします。
スペック
| 焦点距離 35mm換算 | 40mm (Zfc利用時60mm相当) |
| 開放F値 | F2 |
| 手ぶれ補正 | なし |
| フルサイズ対応 | 対応 |
| サイズ(長さ) | 約45.5mm |
| 質量 | 約170g |
| 価格 | 約3.6万円 |
NIKKOR Z 40mm f/2 SEは、焦点距離40mm持つ標準レンズ。
開放F値はF2と明るく、ボケを活かした写真を撮ることができます。
質量は170gと軽量な点が嬉しいポイント。
価格もフルサイズ対応レンズとしては低価格です。
APS-Cセンサーのカメラで使用すると、60mm相当の標準画角になります。
無印版との違いは、外観のみ。
より低価格に抑えたい方は、無印版がオススメです。
良かった点(メリット)

NIKKOR Z 40mm f/2 SEの良かった点(メリット)を作例を交えながら紹介します。
良かった点は以下の5点。
- オールドレンズのような2面性を持つ描写|開放でふんわり、絞るとシャープ
- ボケも狙える開放F2の明るさ
- フルサイズでもAPS-Cでも使いやすい画角
- 小型軽量|質量170g
- 安価な価格
①オールドレンズのような2面性を持つ描写|開放でふんわり、絞るとシャープ

NIKKOR Z 40mm f/2 SEは、絞り開放F2でふんわり柔らかい描写。
絞り込むことで、シャープになります。
一粒で二度おいしい、オールドレンズのような2面性をもつレンズです。
| 絞り(F値) | 描写の傾向 |
|---|---|
| F2-2.8 | 柔らかい描写 |
| F2.8-5.6 | 徐々にシャープに変化 |
| F5.6-8 | 解像のピーク |
開放付近の柔らかい描写はポートレート撮影など、解像力よりも雰囲気を重視したいシーンで活躍。
40mmの画角は使い勝手がよく、身近な家族や友人を撮るのに最適です。

F5.6-8まで絞りこむことで、周辺まで安定した画質を得ることができます。
風景など均一性が要求されるシーンでは、しっかりと絞りましょう。
高級レンズは絞り開放からシャープな反面、柔らかい表現は苦手。
NIKKOR Z 40mm f/2 SEは、絞りによって「柔らかさとシャープさを使い分ける」ことができます。
このオールドレンズのような2面性を持つレンズは、今までのニコンになかった選択肢。
Sラインの高級レンズを使っている方にこそ、体験して欲しいレンズです。
②ボケも狙える開放F2の明るさ

NIKKOR Z 40mm f/2 SEの開放F値はF2。
小型軽量でありながら、F2の明るさは大変ありがたい。
F2あれば暗所でも明るく(ISO感度を下げて)撮れますし、ボケを活かした撮影も可能です。

ボケの質も上質で、なめらかなボケを体験することができます。
絞り開放付近の柔らかい描写も相まって、雰囲気のある写真がたくさん撮れる印象です。
少しくらいピントがズレていても大丈夫。
失敗写真でも絵になってしまうほどの魅力を秘めたレンズです。
③フルサイズでもAPS-Cでも使いやすい画角

写真を撮っていると、「この距離感、ちょうどいいな」と感じる瞬間があります。
広すぎず、狭すぎず、背景の余白も自然。
そのバランスの良さが、40mmという焦点距離です。
画角の自然さから、最近では40mmを採用したレンズも増えてきました。
ツァイスのBatis、ソニーのGレンズ、リコーGR IIIxなど有名どころでも採用が進んでいます。
王道から外れた40mmという焦点距離は、一度体験するとやみつきになる絶妙な画角。
35mmでは広い、50mmでは狭い。
そう思っている方は、ぜひ一度40mmを試してみてください。

ZfcなどのAPS-C使えば、60mm相当の標準画角になります。
Fマウントの銘玉AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gと同程度の画角ですので、ポートレート撮影には意外と使いやすい焦点距離です。
絞り開放付近のふんわりとした描写も相まって、ポートレートや花の撮影に向いています。
④小型軽量|質量170g


NIKKOR Z 40mm f/2 SEは質量170gと非常に軽量。
大型のレンズが多いニコンZマウントの中で異質な存在です。
コンパクトさが功をそうし、ZfやZfcに装着しても違和感がありません。
特にクラシカルな外装を纏った特別仕様のSEレンズは、ZfとZfcにベストマッチです。
200g以下で開放F2の明るさを備えたAFレンズは、他社にはないメリット。
| レンズ | 開放F値 | 質量 |
|---|---|---|
| ツァイス Batis 2/40 CF F2 | F2 | 361g |
| ニコン NIKKOR Z 40mm f/2 SE | F2 | 170g |
| ソニー FE 40mm F2.5 G F2.5 G | F2.5 | 173g |
| キヤノン EF40mm F2.8 STM | F2.8 | 130g |
コンパクトだから被写体への威圧感がないのも嬉しいポイント。
被写体の自然な表情を撮るのに役立ちます。
ゆゆねこコンパクトなレンズの方が、被写体の自然な表情が撮れるんですよね。忘れがちですが、意外と重要なポイントです!
⑤安価な価格
NIKKOR Z 40mm f/2 SEは約3.6万円。
Sラインの高級レンズが、10万円前後ですので非常にリーズナブルに感じます。
やはり安価というのはありがたいものです。
安いから写りがダメかというと、そうではありません。
絞り開放はふんわり柔らか、絞るとシャープ。
オールドレンズのような描写が魅力です。
高級レンズを持っている人でも差別化できるほど、キャラクター性の異なるレンズ。
1本持っておくと、表現の幅が広がって面白いですよ。
気になる点(デメリット)


総じて満足度の高いNIKKOR Z 40mm f/2 SEですが、気になるポイントもあります。
- 光学性能はSラインに及ばない
- マウント部がプラスチック
- 絞り開放では周辺減光が大きい
①光学性能はSラインに及ばない
オールドレンズのような2面性を持つNIKKOR Z 40mm f/2 SE。
絞り開放は柔らかい描写ですが、絞りこむことでシャープさを増していきます。
それでもピーク解像度は、Sラインの高級レンズほどではありません。


しかし光学性能だけで語れないのが、レンズの面白いところ。
開放付近の柔らかい描写は、Sラインのレンズにはない魅力です。
風景など周辺解像が求められるシーンでは、F5.6-8に絞り込むことで周辺まで安定した描写を見せてくれます。
Sラインほどではありませんが、必要にして十分な解像力。
Z8やZ9の高画素センサーでなければ、不満となるシーンは少ない印象です。
②マウント部がプラスチック


NIKKOR Z 40mm f/2 SEはレンズのマウント部に、プラスチックを採用しています。
ここは「耐久性の高い金属マウントだと嬉しかった」というのが正直なところ。
とはいえプラスチックマウントの採用により、低価格・小型軽量を実現したと考えれば妥協もできます。
2年使用していますが、大きな摩耗やガタツキ等はありません。
「よほど頻繁にレンズ交換をする人でなければ、過度に心配する必要はない」というのが私の結論です。
③絞り開放では周辺減光が大きい


NIKKOR Z 40mm f/2 SEは絞り開放F2で撮影すると、盛大な周辺減光が発生します。
特に遠景での影響が大きいので、気になる方は画像周辺の光量を補うヴィネットコントロールを活用するのがオススメです。
周辺減光は必ずしも悪ではなく、視線を中央に誘導し被写体を目立たせる効果もあります。
開放付近の柔らかな描写も相まって、雰囲気の良い写真が撮れるので、私は周辺減光の補正をせずに撮ることが多いです。
まとめ
小型軽量、開放F2の明るさを持ちながらも、低価格は控えめ。
絞り開放F2はふんわり柔らかく、絞りこむほどにシャープになるオールドレンズのような描写。
「解像性能だけがレンズではない」 独自の魅力を放つ魔性の一本です。
高級レンズを使っている方は、一度手にとってみてください。







