高性能なコンデジとして、ソニーのRX100シリーズは有名ですよね。
現在、RX100の最新機種は7世代目。
たくさんあって、何が違うのか分からないという人も多いのではないでしょうか。
私は、RX100シリーズを2013年に導入し、10年以上使用していきました。
その経験から、RX100シリーズの各機種の違いについてまとめておきたいと思います。
- RX100 累計3台
- RX100m3
- RX100m5
- RX100m6
- RX100m7 現在使用中
RX100シリーズのレビュー記事を読みたい方はこちら。
スペック比較
サクッと、スペックの違いを確認したい方のために、比較表を追加で作成(2024年6月)。
詳しい解説が気になる方は、最後まで見ていって下さい。
RX100 | RX100m2 | RX100m3 | RX100m4 | RX100m5 RX100m5A | RX100m6 | RX100m7 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
センサーサイズ | 1インチ | 1インチ | 1インチ | 1インチ | 1インチ | 1インチ | 1インチ |
有効画素数 | 約2020万画素 | 約2020万画素 | 約2010万画素 | 約2010万画素 | 約2010万画素 | 約2010万画素 | 約2010万画素 |
レンズ 35mm換算 | 28-100mm | 28-100mm | 24-70mm | 24-70mm | 24-70mm | 24-200mm | 24-200mm |
ズーム倍率 | 3.6倍 | 3.6倍 | 2.9倍 | 2.9倍 | 2.9倍 | 8.3倍 | 8.3倍 |
開放F値 | F1.8-4.9 | F1.8-4.9 | F1.8-2.8 | F1.8-2.8 | F1.8-2.8 | F2.8-4.5 | F2.8-4.5 |
ファインダー | 144万ドット | 236万ドット | 236万ドット | 236万ドット | 236万ドット | ||
内蔵フラッシュ | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
手ぶれ補正 | あり | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
可動液晶 | チルト (自撮不可) | 180°チルト | 180°チルト | 180°チルト | 180°チルト | 180°チルト | |
NDフィルター | 3段 | 3段 | 3段 | ||||
アクセサリーシュー | あり | ||||||
タッチパネル | 対応 | 対応 | |||||
スマホ連携 | あり | あり | あり | あり | あり | あり | |
USB充電 | microUSB | microUSB | microUSB | microUSB | microUSB | microUSB | microUSB |
低速限界設定 | あり | あり | あり | あり | |||
RAW記録 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
質量 (バッテリーSD含む) | 約240g | 約281g | 約290g | 約298g | 約299g | 約301g | 約302g |
サイズ | 約102×58×36mm | 約102×58×38mm | 約102×58×41mm | 約102×58×41mm | 約102×58×41mm | 約102×58×43mm | 約102×58×43mm |
価格 | 中古 約4.5万円 | 中古 約5万円 | 中古 約7.5万円 | 中古 約9万円 | 約11.7万円 | 中古 約12万円 | 約16.6万円 |
性能から見るRX100シリーズの違い
まずは、RX100シリーズの大まかな違いについて把握していきましょう。
レンズの違い
RX100シリーズには、3種類のレンズが使われています。
機種名 | 焦点距離 | ズーム倍率 | F値 |
---|---|---|---|
RX100 | 28-100mm | 3.6倍 | F1.8-4.9 |
RX100m2 | |||
RX100m3 | 24-70mm | 2.9倍 | F1.8-2.8 |
RX100m4 | |||
RX100m5 (RX100m5A) | |||
RX100m6 | 24-200mm | 8.3倍 | F2.8-4.5 |
RX100m7 |
24-200mmのレンズ
24-200mmの範囲をカバーしたRX100m6とRX100m7の2機種。
そのズーム倍率は8.3倍と非常に使い勝手のいい焦点距離を持つ。
小学校以上の運動会や、鳥の撮影等、特殊な撮影以外は、このカメラ一つで事足りる。
F値は若干暗めであるが、この焦点距離をカバーしたレンズとしては明るい方である。
とは言っても、RX100シリーズの他のレンズとして若干ではあるが暗所に弱い。
24-70mmのレンズ
逆に、ズーム倍率を抑えて高画質を手に入れたのはRX100m3、RX100m4、RX100m5だ。
24-70mmとズーム倍率に物足りなさを感じるものの、その代償として、高画質なレンズを手に入れた。
また、レンズが明るいため、暗所に強いという特徴も併せ持つ。
ちなみに、RX100シリーズの中で、この24-70mmのレンズだけMTF曲線が公開されている。
MTF曲線はレンズの性能を表すための一指標である。
MTF曲線をソニーが公開しているということは、それだけ自信のあるレンズということの裏返しであろう。
画質を優先するのであれば、コレ一択である。
28-100mmのレンズ
28-100mmのレンズをもつRX100とRX100m2は、画質も使い勝手もその中間と行った感じである。
ちなみに、28mmから35mmまでの焦点距離であれば、RX100とRX100m2のレンズが最も明るい。
どのレンズが一番優れているのか
どのレンズが一番優れているのかという優劣はつけにくい。
ズーム倍率をとり、便利に使うか。ズーム倍率を捨てて、高画質を手にいれるか。はたまた、その間を取るか。
非常に難しい問題である。
オートフォーカスの違い
オートフォーカス方式・速度、瞳オートフォーカスについて比較表にしました。
機種名 | AF方式 | 瞳AF | 瞳AF作動方法 | オートフォーカスの速度 |
---|---|---|---|---|
RX100 | コントラスト | – | – | 7位 |
RX100m2 | コントラスト | – | – | 6位 |
RX100m3 | コントラスト | – | – | 5位 |
RX100m4 | コントラスト | – | – | 4位 |
RX100m5 (RX100m5A) | 位相差 | 人物 | カスタムボタン | 3位 |
RX100m6 | 位相差 | 人物 | シャッターボタン半押し | 2位 |
RX100m7 | 位相差 | 人物、動物 | シャッターボタン半押し | 1位 |
オートフォーカス方式と速度
RX100シリーズでは大きく分けて、2種類のオートフォーカス方式が使われています。
一つ目はコントラストオートフォーカス。これは、レンズ群を動かしながら画像のコントラストを測定しフォーカスを合わせるものです。
オートフォーカスの精度は高いが、オートフォーカスの速度は遅い。
また、コントラストが低い被写体や暗所では、オートフォーカス精度と速度が著しく低下します。
2つ目は位相差オートフォーカス。これは、センサーに埋め込まれた素子が、被写体との距離を測定しフォーカスを合わせるものです。
被写体との距離を測定しているため、オートフォーカスの速度に優れます。
コントラストが低い被写体や暗所においても、コントラストオートフォーカスよりも高い精度と速度を維持できます。
オートフォーカス速度は、最新機種ほど早くなっています。まあ、当たり前ですね。
コントラストオートフォーカスと位相差オートフォーカスでは、速度に大きな違いがあるため、オートフォーカス速度を求める方はRX100m5以降の機種がオススメです。
位相差オートフォーカスを搭載したカメラはどれも高速なオートフォーカスが可能ですが、RX100m7だけは別格の速度を誇りますので、オートフォーカスの速度を求めるのであれば、最新機種であるRX100m7が最もオススメです。
ちなみに、今私の手元にあるのは、RX100m7になります。
瞳オートフォーカス
瞳オートフォーカスを搭載しているのはRX100m5以降。
RX100m5は瞳オートフォーカスを使うためには、カスタムボタンに機能を割り当てる必要があります。
カスタムボタンを押している間のみ瞳オートフォーカスが稼働します。
RX100m6以降の機種であればシャターボタンを半押しするだけで、瞳オートフォーカスの機能を使うことが出来ます。
RX100m5は瞳オートフォーカス使うのに一手間必要なので、瞳オートフォーカスを使いたい方はRX100m6以降がオススメです。
RX100m7では遂に動物瞳オートフォーカスに対応しました。
犬猫好きは、RX100m7を選ぶと幸せになれるかもしれません。
ファインダー、モニター等
RX100シリーズは、見た目こそ似ていますが、ファインダーやモニター等の機能は大きく異なっています。
そのため、この機能は当然あるだろうと思って購入すると、後で後悔することになるかもしれません。
機種名 | ファインダー | ファインダー展開 | 可動モニター | タッチパネル | 内臓フラッシュ | 外部フラッシュ |
---|---|---|---|---|---|---|
RX100 | – | – | – | – | 有 | – |
RX100m2 | 外付対応 | – | チルト | – | 有 | 対応 |
RX100m3 | 144万ドット | 2ステップ | チルト 自撮対応 | – | 有 | – |
RX100m4 | 236万ドット | 2ステップ | チルト 自撮対応 | – | 有 | – |
RX100m5 (RX100m5A) | 236万ドット | 2ステップ | チルト 自撮対応 | – | 有 | – |
RX100m6 | 236万ドット | 1ステップ | チルト 自撮対応 | 対応 | 有 | – |
RX100m7 | 236万ドット | 1ステップ | チルト 自撮対応 | 対応 | 有 | – |
ファインダー
ファインダーが必要な場合はRX100m3以降の機種を選ぶことになります。
RX100m3のみドット数が控えめですが、そこまで見にくいわけではありません。
また、RX100シリーズはポップアップ式のファインダーを備えています。
そのファインダーの展開方式は2種類あり、RX100m6以降の機種ではボタンを押すだけでファインダーがポップアップする仕様になりました。
それ以前の機種は、ボタンを押してファインダーをポップアップさせた後に、ファインダー部分を手で引き出すことで使用することが出来ます。
少し面倒ではありますが、慣れれば問題ないでしょう。
なお、RX100m2はファインダーを搭載していませんが、唯一外付ファインダー(別売)に対応しています。
モニター
RX100m2からチルトモニターが搭載されました。
また、RX100m3以降はモニターが180度回転するため、自撮りも楽々出来ます。
タッチパネル
RX100m6以降の機種が対応しています。
何とRX100シリーズは第5世代であるRX100m5まではタッチパネル非対応なのである。
フラッシュ
シリーズ全て、内臓フラッシュを搭載しています。
外部フラッシュはホットシューのあるRX100m2のみ対応。
どうしても外部フラッシュが必要な方は、RX100m2を選ぶほかありません。
主観的な解説
ここからは、今まで5機種を使ってきた私が、独断と偏見でRX100 シリーズの解説をしていきす。
RX100(初代)
2012年にソニーから発売されたハイエンドコンデジ。
他者が軒並み1/1.7インチのハイエンド機を出していた当時、1インチという大型センサーを引っ提げ登場した。
RX100の登場により、他社のハイエンド機は次々と闇に葬られた。
歴史的なカメラと言ってもいいだろう。
画質は初代RX100から完成されており、最新機種であるRX100m7と比較しても大差がないのでご安心を。
特徴は、RX100シリーズの中で、最もコンパクトかつ最軽量であること。
(初代RX100は240g、最新機種のRX100m7は302g)
焦点距離のバランスもよく普段使いでは不満のないズーム倍率を確保している。
初代ということもあり、便利機能はほとんどないが、写真を撮ることに関しては必要十分な機能を兼ね備えている。
コンデジは軽さこそ正義と言う貴方は、初代RX100を選んでください。
私は、3回ほど買いました。
RX100m2
初代RX100にホットシューとチルトモニターを搭載した2代目。
センサーは裏面照射モデルとなり、若干高感度に強くなった。
RX100シリーズで唯一ホットシューを持つ機種であるため、外部フラッシュを使いたい方はRX100m2を選択するしかない。
基本性能は初代RX100とさほど変わりません。
RX100m3
3代目であるRX100m3は、写真撮影に必要な機能を全て詰め込んだ、一つの完成モデル。
オートフォーカスの追従性を除いて、完成の域に達したと言えよう。
RX100シリーズとして初めてEVFを搭載した。また、何気に便利な3段分のNDフィルターも盛り込まれている。
レンズは24-70mmのZeissバリオゾナーレンズを搭載。
このレンズはソニーが公式にレンズ性能を測る一つの指標であるMTF曲線を公開しており、その光学性能の高さが伺える。実際に使ってみたがいいレンズだ。
また、F値もF1.8-2.8と明るく、望遠側の70mmにおいてもF2.8の明るさを確保するなど、室内撮影が多い方には心強い味方になってくれるだろう。
便利な機能は少ないものの、カメラとしての基本機能は全て入っているカメラ、それがRX100m3である。
RX100m4
RX100m3をベースにEVFの解像度を236万ドットにアップデート。更に積層型センサーを搭載することで、ローリングシャッター歪を抑え電子シャッターを可能とした。
大きな変更点は、上記の2つ。
それと、RX100m4から4K動画が撮れるようになった。
他のモデルチェンジと比べて、いまいちパンチにかける内容である。
積極的にはオススメしないモデルだ。
RX100m5(RX100m5A)
RX100は5代目にして、遂に位相差オートフォーカスを手に入れた。
そのため、以前のモデルとは一線を画すオートフォーカス速度を誇る。
今は有名な瞳オートフォーカスをRX100シリーズで初めて搭載した。
動体を撮影するのであれば、必然的に本モデル以降に発売された機種となる。
しかし、RX100m6以降はレンズが代わり24-200mmとなり、F値も暗めとなった。
そのため、高画質で、暗所にも強く、ある程度の動体にも対応できるのはRX100m5のみ。オンリーワンだ。
RX100m5にはRX100m5とRX100m5Aの2種類が存在する。
Aとつく方が若干性能がいい。
オートフォーカス追従性が少し上がっていたり、連続撮影枚数が増えていたり。
同じ値段であればRX100m5Aの方がいいだろう。
ただし、RX100m5Aで削除された機能もあるので要注意だ(アプリとか)。心配な人は調べてみることをオススメする。
ちなみに、RX100m5は私が今までに所有したRX100シリーズの中で、最もシャッターを切ったカメラである。
RX100m6
RX100m3からRX100m5まではズーム倍率を抑えて、高画質なレンズを搭載していたRX100シリーズ。
ここにきて急に方向転換。
24-200mmの8.3倍ズームレンズを搭載し、画質よりも便利さに重視のNEW製品、RX100m6を市場に投入してきたのだ。
後継機というより、別ジャンルのカメラと言った方がしっくりくるかもしれない。
特徴はやはり、この便利なズーム域であろう。
小学校の運動会や野鳥撮影といった、特殊なジャンルを除けば、このRX100m6一台で全てを賄えてしまう。
レンズが若干暗くなったため、室内撮影は不利となったが、画質は及第点であろう。
ファインダーの展開方式も1ステップで可能になった。地味に便利だ。
瞳オートフォーカスはシャッターボタン半押しで作動できるようになった。コレも便利。
極め付けは、RX100シリーズとして初めてタッチパネルを搭載した。
えっ?と思う人も多いでしょう。
なんと、かの有名なRX100シリーズは第6世代で初めてタッチパネルを搭載したのだ。
もっと早くに採用して欲しいものである。
追加されたものばかりではない。
実は、RX100m6以降のシリーズではNDフィルターがなくなっている。
コレは地味に痛い。滝の撮影をするときに重宝していたのに。実に残念である。
RX100m7
最新の7代目であるRX100m7。RX100m6との違いはオートフォーカス周りくらいしかない。
だがマイナーチェンジモデルと侮るなかれ。
RX100m6とRX100m7ではピント精度とオートフォーカス速度に、天と地ほどの差があるのである。
それほど、RX100m7のオートフォーカス性能は圧倒的なのだ。
αシリーズ(ソニーのミラーレスカメラ)の動体スペシャリスト、α9と同等のオートフォーカス性能であると、豪語するだけのことはある。
私はRX100m6からRX100m7に買い換えたが、本当に良かったと思っている。後悔など微塵もなかった。
また、犬猫好きには待望?の動物瞳オートフォーカスが追加された。
後はちょこちょことした改良点もあるが、ほんの些細なことである。
マイク端子が追加されたのは動画を撮る人にとっては重要であるが、写真のみの人は関係ないだろう。
RX100m6から無くなったNDフィルターは、RX100m7になっても復活することはなかった。残念だ。
オートフォーカスを求めるなら、RX100m7一択。コレは間違いない。
小さい子供を持つ親には、特にオススメである。値段は高いけど。
まとめ
RX100シリーズはどれも違って、どれもいい。
違いを理解した上で、自分にベストなRX100シリーズを選んでみてください。
私がオススメする3機種はコレだ
最後に私がオススメする3機種を上げておきたいと思います。
優劣はつけられません。
RX100 初代 | シリーズ随一のコンパクト軽量ボディ。 軽さこそ正義。画質十分、必要最低限の機能は確保したカメラ。 初代のコンセプト、私は好きです。 |
RX100m5 (RX100m5a) | シリーズ中で最も高性能なレンズを搭載したカメラ。その最終型である。 位相差オートフォーカスをシリーズで初めて採用し、動体撮影にも対応できる性能を手に入れた。 あまりズームは必要ないが出来るだけ高画質に撮りたい。動体を撮ることもあるよ、という人はRX100m5がオススメだ。 動体を撮らないのであればRX100m3で十分だろう。 |
RX100m7 | コンデジ界のオートフォーカス番長。 そのオートフォーカス性能は他のコンデジを寄せ付けない。 24-200mm 8.3倍の高倍率ズームレンズを搭載し、特殊なシーンを除いて、殆どのシーンをカバーする。 カメラ1台で何でも撮りたい、小さい子を持つ子育て世代に特にオススメです。 |
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