α9を2019年に購入し、早くも4年が経過しました。
4年経過した今でも、メインカメラとしてα9には絶大な信頼を寄せています。
私は、いろいろなカメラを買い替えてきました。様々な機材が入れ替わる中、常にエースとして4年間も手元にあったのはα9のみです。
それぐらい気に入っているα9について、4年越しのレビューを書きたいと思います。
5年使用レビューも投稿しました。最新のレビューを見たい方はこちら。
α9とは
2017年にソニーから発売されたミラーレスカメラ。
動体撮影は一眼レフカメラと言われた時代、遂にミラーレスカメラが一眼レフカメラを超えたか!と言わしめたカメラである。
その圧倒的な性能から、ゲームチェンジャーの異名をもつ。特に、連射性能とオートフォーカス性能は群を抜いており、2023年現在でもトップレベルのオートフォーカス追従性を誇る。
当時の発売価格は約50万円だ。
発売当時も群を抜いた性能であったが、度重なるファームウェアアップデートにより、その機能は更に強化されることとなった。
α7シリーズとの違い
α9は動体撮影に重きを置いたカメラである。そのため、α7シリーズよりも動体撮影に優れている。
一方で、α7シリーズはスタンダードタイプ。何でも卒なくこなすカメラだ。
α7シリーズの方が優れている面も多々あるため、動体撮影が多くなければα7シリーズの方がオススメだ。
動体撮影をするのであれば、α9かα1を選びたい。
それほど、動体撮影には差があると言っていいだろう。
α9の優れている点
オートフォーカス
α9のオートフォーカス性能は大変素晴らしいものがある。
α9に任せておけば、ほとんどのシーンでピントの合った写真が簡単に撮れてしまうのだ。
ファインダー内に被写体を捉えることが出来れば、あとはカメラがやってくれる。
具体的に見ていこう。
群を抜く動体追従性能
α9の動体追従性能は素晴らしく、2023年現在においても、トップレベルの性能を持つ。
α9はα7シリーズと比較されがちだ。動体追従性能に関しては、最新のα7IVやα7RV、α7CIIなどでも全く太刀打ち出来ない。
コレはα9のもつ最大の特徴、「最大60回/秒(*1)の演算処理」によるものだ。ちなみに、α7シリーズの演算回数は公開されていない。
演算回数と言われても、ピンときませんよね。こう言い換えましょう、
「α9は1秒間に60回ピントを合わせている」
すごい事は伝わるのではないでしょうか。
この演算回数を超えるのは、フラッグシップであるα1のみである。
演算回数が多い | 演算回数が少ない | 被写体例 | |
---|---|---|---|
機種 | α9 | α7シリーズ | – |
一定の速度で動く被写体 | 車、電車、飛行機 | ||
不規則な動きをする被写体 | スポーツ、子供、動物 | ||
レリーズ中の測距 | – |
また、上の表中に登場するレリーズ中の測距にも注目してほしい。
これは、「シャッターを切っている間、被写体との距離を測れるのか」という項目だ。
α9は電子シャッターを使えば、シャッターを切っている間も、被写体との距離を常に計測できる。
対してα7シリーズはシャッターを切っている間は、その構造上、被写体との距離を計測することが出来ないのだ(レリーズ中はシャッター幕が降りているため測距できない)。
こう言った理由により、α9の動体追従性は圧倒的なのである。
高速連写性能
α9は高速連写性能がとにかく素晴らしい。
同世代であるαのスタンダード機α7IIIと比較してみよう。
α9 | α7III | |
---|---|---|
連写コマ数 | 20コマ/秒 | 10コマ/秒 |
連続撮影枚数 JPEG | 362枚 | 163枚 |
連続撮影枚数 RAW | 241枚 | 89枚 |
総合的な連写性能は、連写コマ数と連続撮影枚数で決まる。
α9はα7IIIと比較して、両方の性能が大きく上回っている。
動体撮影カメラとして申し分ない性能である。
連写コマ数とは、1秒間に撮れる写真の枚数。
連続撮影枚数とは、連続撮影可能な枚数。
マラソンで例えるなら、連写コマ数がスピード、連続撮影枚数は体力だ。
スピードが早くても、体力がなければ途中で息切れしてしまう。
マラソンではスピードと体力の両方が重要なのだ。
そう考えると、連写コマ数、連続撮影枚数が多いα9の良さが分かってもらえるだろう。
完成された瞳オートフォーカス
人物は当然。動物にも対応している。
前述した圧倒的な動体追従性との相乗効果で、こちらに顔を向けている間はピントを常に捉え続けることが出来る。
むしろ、ピントを外した写真を撮ることの方が難しいと言っても過言ではない。
小型軽量
α9は小型軽量だ。
私がαシリーズを使う理由の一つである。
では、どの程度小型軽量なのか?
サイズは分かりにくいので、質量を比較してみよう。
各社のヒエラルキーを基に、準フラッグシップと言われるカメラ同士で比較した表がこちらだ。
レンズは標準ズームレンズの大三元と言われる24-70mm F2.8をチョイス。
準フラッグシップカメラの質量比較
ソニー α9 | キヤノン EOS R3 | キヤノン EOS R6II | ニコン Z8 | |
---|---|---|---|---|
ボディ | 673g | 1,015g | 670g | 910g |
レンズ 24-70mm F2.8 | 695g | 900g | 900g | 805g |
合計 | 1,368g | 1,915g | 1,570g | 1,715g |
キヤノンのEOS R6 markIIのみ立ち位置が異なるが、EOS R3が縦グリップ一体型で非常に重いため、急遽比較表に追加した。
ボディのみを見るとキヤノンのEOS R6 markIIがトップ。次にα9が続く。
次にレンズを見てみるとソニーが圧倒的に軽い。
合計重量で見ると、ソニーの合計質量が最も軽いという結果になる。
同じ写真が撮れるなら、カメラはより軽い方がいい。
しかも、α9の性能はお墨付きである。
キヤノンのEOS R6mark2よりも、合計質量で200gも軽く、さらに動体追従性能はEOS R6 markIIよりも上ときた。
流石に、被写体認識能力は旧世代のため比較表の他機種に一歩劣るものの、追従性はトップと言っても過言ではない。
軽さは正義。
いつ、どんな時でも機材は軽い方がいい。
私達は、ウエイトトレーニングをしているのではない。写真を撮っているのだ。
α9の性能を引き出す豊富なEマウントレンズ群
Eマウントの初号機NEX3が登場したのが2010年。Eマウントレンズが登場してから、今年で13年になります。
また、フルサイズであるα7が登場してから、今年で10年。そのため、Eマウントには圧倒的な数のEマウントレンズがラインナップされています。
その数、なんと378本。
(価格.comの製品数より。サードパーティ製レンズ、マニュアルフォーカスレンズも含む)
本数だけでなく、魅力的なレンズも非常多いのだ。
私の使用しているフルサイズ対応Eマウントレンズ
私の使用しているフルサイズ対応のレンズを紹介しよう。
FE 24-70mm F2.8 GMII
F2.8通しの大口径ズームレンズでありながら、質量たったの695gという脅威の軽量化を実現した。その描写性能は単焦点のGMレンズに肉薄するレベルである。このレンズを購入後、GMレンズを含めた単焦点レンズを全て手放した。
FE 70-300mm F4.0-5.6 G
300mmまで望遠域をカバーしながら、長さを14.35cm、質量を854gに抑えた持ち歩けるサイズの望遠ズームレンズである。今の所、運動会も含めて望遠域はこのレンズ1本でカバーできている。写りが特別いいわけではないが、必要十分な写りだ。オートフォーカスも子供程度のスピードであれば十分追従できている。
α9唯一の不満点
ベタ褒めしてきたα9だが不満点がないわけではない。
α9唯一の不満点。それは、カメラとしての撮影体験だ。
撮影体験
前述の通り、α9を使えば、基本的にピントはカメラ任せで良い。
被写体をファインダーに捉えさえすれば、シャッターを切るだけでほぼ確実にピントが合った写真が撮れてしまうのだ。
そこに何の苦労もないのだ。
ピントを合わせに四苦八苦したり、他の被写体にピントを持っていかれたりする事はない。
カメラで撮影する行為、撮影体験が希薄になっている気がするのだ。
考えてみてほしい。
皆さんが、テストを受けるとしましょう。そして、幼稚園生が解けるようなテストを出されたとしましょう。
結果はおそらく、満点でしょう。
でも、そこに充実感はあるのでしょうか?無いですよね。
α9唯一の欠点は撮影体験なのだ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
私が4年間も愛用するα9。一言でまとめるなら、こうだろう。
小型軽量、レンズも豊富、動体撮るならα9
最後にα9で撮影した写真を一部紹介しておきます。
コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは。
普段は、α7Ciiと7iiiで星景写真を中心に季節ごとのスナップ撮影をしています。
最近7iiiを壊してしまい中古の9を買いました。
いいレビューだなぁと思い、思わずコメントしました。
正直、α9のレビュー記事は、古くのα7Riiとの比較が多くてα7iii、Ciiとの比較なんて無かったので。
α9を買った後ではありますが、非常に共感した次第です。
AF性能はCiiを凌駕してますね。特に暗所では!
9を買う人はちゃんっとした管理をしている人が多そうなので7iiiより状態が良いと思われ、
値段も3万くらいしか変わらないので、9はおすすめです。
コメント、ありがとうございます。
α9との出会い、おめでとうございます。
α7CIIと両方できるとは羨ましい限りです。
こうやって、実際に使用している方の情報もいただけると、信憑性も高まりますので本当にありがたいです。
確かに、α9の記事は少なく、古い記事が多いですよね。
でも、まだまだ現役。
α9は中古市場ではあまり人気がないのか、不当に安値で取引されています。
お得に買えるので、消費者にはありがたいですが。
α9は電子シャッターを中心に使う人が多いので、物理シャッターの回数が少ない個体も多いので中古は本当にお得です。
α9はいいカメラなので、どんどん使ってあげてください。
でも、α7CIIのAI被写体認識は正直羨ましいです。